「キャリアのブランクがある40代・50代を採用したいが、支援制度はあるの?」
そうお考えの経営者・人事担当者の方へ。令和7年4月に新設された特定求職者雇用開発助成金(中高年層安定雇用支援コース)なら、35歳〜60歳未満で正規雇用経験が乏しい求職者を正社員として採用すると、中小企業で最大60万円の助成を受けられます。
この記事では、西宮市で社会保険労務士として活動する竹田事務所が、支給要件・助成額・申請手続きをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 特定求職者雇用開発助成金(中高年層安定雇用支援コース)の概要と新設の背景
- 対象となる労働者・事業主の要件
- 助成額・支給期間の詳細
- 申請の流れと必要書類
- 注意点・よくある質問
助成金の概要(早見表)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 特定求職者雇用開発助成金(中高年層安定雇用支援コース) |
| 新設時期 | 令和7年4月1日 |
| 目的 | 35歳〜60歳未満でキャリア形成が不十分な求職者の正規雇用を促進 |
| 助成額(中小企業) | 60万円(30万円×2期) |
| 助成額(大企業) | 50万円(25万円×2期) |
| 支給期間 | 雇入れ日から1年間(6か月ごと2回払い) |
| 申請窓口 | ハローワーク・都道府県労働局 |
| 電子申請 | 利用可 |
新設の背景:なぜ「中高年のキャリア支援」が必要なのか
日本では高度経済成長期から就職氷河期にかけて、採用抑制や非正規雇用の拡大により「正規雇用の機会を逃した」中高年層が多数存在します。35〜59歳で過去5年間の正規雇用期間が通算1年以下という方は、現在も安定した雇用から遠ざかりがちです。
厚生労働省はこの層を「就職氷河期世代・中高年フリーター」と位置づけ、令和7年度から本コースを新設。ハローワークによる個別支援と企業の雇用を組み合わせた総合的な就業促進策の一環として創設されました。
対象となる労働者の要件(すべて満たすこと)
| 要件 | 詳細 |
|---|---|
| 年齢 | 雇入れ時に35歳以上60歳未満 |
| 正規雇用経験(過去5年) | 過去5年間の正規雇用(無期フルタイム)期間が通算1年以下 |
| 正規雇用経験(過去1年) | 過去1年間に正規雇用されていないこと(※事業主都合による解雇の場合は例外) |
| ハローワークの支援 | ハローワーク等から「就労に向けた個別支援」を受けていること |
| 就職希望 | 正規雇用(無期フルタイム)での就職を希望していること |
「正規雇用」とは?期間の定めがなく、かつ1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者と同等以上である雇用をいいます。
対象となる事業主の要件
- ハローワークまたは適切な職業紹介事業者の紹介を通じて対象労働者を雇い入れること
- 雇入れ後も継続して正規雇用労働者として雇用すること
- 雇入れ日前後6か月以内に事業主都合による解雇がないこと(雇入れ事業所)
- 助成金に関する不正受給がないこと(過去3年以内)
- 労働関係法令を遵守していること
なお、派遣労働者として雇い入れる場合は対象外です。直接雇用が条件となります。
助成額と支給期間
支給額(1名あたり)
| 事業主区分 | 第1期(雇入れ後6か月) | 第2期(7〜12か月) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 中小企業 | 30万円 | 30万円 | 60万円 |
| 大企業 | 25万円 | 25万円 | 50万円 |
※中小企業の定義は業種によって異なります(例:製造業は資本金3億円以下または常用労働者300人以下)。
支給回数・支給タイミング
雇入れ日から6か月を1支給対象期として、計2回の支給申請を行います。第1期の支給を受けた後、第2期の申請が可能になります。
申請の流れ
| ステップ | 内容 | タイミング |
|---|---|---|
| 1. 求人登録・マッチング | ハローワークに求人を出し、対象労働者の紹介を受ける | 雇入れ前 |
| 2. 雇入れ | 紹介を受けた対象者を正規雇用で採用 | 雇入れ日 |
| 3. 支給申請(第1期) | 雇入れから6か月後の翌日〜2か月以内に申請 | 7〜8か月後 |
| 4. 支給決定(第1期) | 労働局が審査・支給 | 申請後約2〜3か月 |
| 5. 支給申請(第2期) | 雇入れから12か月後の翌日〜2か月以内に申請 | 13〜14か月後 |
| 6. 支給決定(第2期) | 労働局が審査・支給 | 申請後約2〜3か月 |
主な必要書類
- 支給申請書(所定様式)
- 雇用契約書または労働条件通知書のコピー
- ハローワーク等による紹介状
- 対象労働者の過去の雇用・職歴を確認できる書類(離職票、雇用保険受給資格者証など)
- 賃金台帳・出勤簿(支給対象期間分)
- 登記事項証明書または法人番号確認書類
よくある質問・注意点
Q1. 既に雇用している中高年従業員は対象になりますか?
対象外です。本コースはハローワーク等の紹介による新規雇入れが要件です。既存の雇用関係には適用できません。
Q2. 試用期間中の採用でも対象になりますか?
試用期間を設けている場合でも、最初から無期雇用契約として雇い入れていれば対象になります。有期雇用(試用期間付き有期)として採用した後に転換するケースは別途確認が必要です。
Q3. 他の助成金と併用できますか?
原則として同一労働者について複数の雇用関係助成金を同時受給することはできません。ただし要件が異なるコースとの組み合わせは可能な場合もありますので、ハローワークに事前にご相談ください。
Q4. 60歳になったら打ち切りになりますか?
雇入れ時点で60歳未満であれば、支給対象期間中に60歳に達しても支給は継続されます。
Q5. 短時間正社員として採用した場合はどうなりますか?
「1週間の所定労働時間が通常の労働者と同等以上」が要件のため、短時間正社員(所定労働時間が一般社員より短い場合)は原則対象外となります。
まとめ:35〜59歳・キャリアブランク層の採用に使える新制度
特定求職者雇用開発助成金(中高年層安定雇用支援コース)は、令和7年4月に新設されたばかりの制度で、まだ認知度が低い助成金です。対象となる求職者は就職意欲が高く、ハローワークによる個別支援を受けているため、採用後の定着率が高い傾向があります。
人手不足に悩む中小企業にとって、採用コストを削減しながら戦力を確保できる有効な制度です。ぜひ積極的にご活用ください。
申請手続きや要件の詳細確認は、西宮市の社会保険労務士 竹田事務所にお気軽にご相談ください。ハローワークとの連携から申請書類の作成まで、一括サポートいたします。

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