「残業が多くて改善したいけれど、何から手をつければいいかわからない」「年次有給休暇をもっと取りやすくしたいが、費用や手間がネックだ」そんな中小企業の経営者・担当者の方に活用してほしい助成金があります。
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)は、時間外労働の削減や年休取得促進に取り組む中小企業に対し、取り組みにかかった費用の最大3/4を助成する制度です。2026年(令和8年)度は11月30日まで申請を受け付けています。
- 対象:中小企業事業主(業種により従業員数・資本金の基準が異なる)
- 助成率:対象経費の3/4(常時30人以下で対象経費30万円超の場合は4/5)
- 最大支給額:成果目標の組み合わせにより最大150万円+加算
- 申請期限:2026年(令和8年)11月30日(月)午後5時まで
このコースでいくらもらえるのか?
支給額は「成果目標の種類」と「達成状況」によって異なります。選択した成果目標ごとの上限額に対して、実際にかかった費用の3/4(または4/5)が助成されます。
成果目標別の支給上限額
| 成果目標 | 内容 | 支給上限額 |
|---|---|---|
| ①-ア | 時間外・休日労働を月60時間以下に設定 | 150万円 |
| ①-イ | 時間外・休日労働を月60〜80時間以下に設定 | 50万円 |
| ①-ウ | 前年度に①-イを選択し、今年度月60時間以下に引き下げ | 100万円 |
| ② | 全事業場で年次有給休暇の計画的付与制度を新たに導入 | 25万円 |
| ③ | 全事業場で時間単位年休+特別休暇(1種類以上)を新たに導入 | 25万円 |
成果目標は複数選択することも可能です。例えば①-アと②を同時に達成すれば、上限の合計は175万円となります。
2026年度から新設!割増賃金率引上げ加算
| 加算の種類 | 内容 | 加算額 |
|---|---|---|
| 割増賃金率引上げ加算(基本) | 月60時間以内の時間外労働の割増賃金率を5%以上引き上げ(例:25%→30%以上) | 25万円 |
| 割増賃金率引上げ加算(特定要件) | 割増賃金率を50%以上に引き上げ、かつ一定の要件を満たす場合 | さらに75万円 |
| 賃上げ加算 | 対象労働者の時間当たり賃金を一定以上引き上げた場合 | 最大720万円 |
通常は対象経費の3/4が助成されます。ただし常時雇用する労働者が30人以下の事業主で、対象経費が30万円を超える改善事業を行う場合は4/5に引き上げられます。
受給できる会社の要件
このコースを利用できるのは、以下の中小企業規模の要件を満たす労災保険適用事業主です。
| 業種 | 資本金 | または常時労働者数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
中小企業規模の要件に加え、以下の要件も必要です。
- 全ての指定事業場で年次有給休暇管理簿を作成していること
- 常時10人以上の事業場では就業規則に年休時季指定の旨を記載し、所轄労働基準監督署に届け出ていること
- 労使の話し合い機会の設置、苦情担当者の配置、計画の周知などの措置を実施すること
助成対象となる取り組みと経費
成果目標を達成するために行う「改善事業」にかかる費用が助成対象です。以下のうち1つ以上の取り組みを実施する必要があります。
- 労務管理担当者向け研修(時間外労働削減・年休取得促進に関する研修)
- 労働者向け研修・啓発活動
- 外部専門家(社会保険労務士等)によるコンサルティング
- 就業規則・労使協定の新規作成・改定
- 人材確保に向けた取り組み(採用活動の改善等)
- 労務管理用ソフトウェアの導入・更新(勤怠管理システム等)
- 労務管理用機器(タイムレコーダー等)の導入・更新
- デジタル式運行記録計の導入・更新(運送業)
- その他、労働能率の増進に資する設備・機器の導入・更新
注意:パソコン・タブレット・スマートフォンは原則として対象外です(特定業務専用システム稼働時等の場合を除く)。
申請の流れと期限
- 事前相談:都道府県労働局または働き方改革推進支援センターに無料相談(任意だが推奨)
- 交付申請:令和8年11月30日(月)午後5時までに都道府県労働局へ提出(Jグランツによる電子申請も可)
- 交付決定:申請後、原則1ヶ月以内に通知
- 改善事業の実施:交付決定日から令和9年1月31日までに実施
- 成果目標の達成:36協定の締結・届出、年休制度の導入など
- 支給申請:事業終了後30日以内または令和9年2月5日(金)のいずれか早い日まで
①交付決定前の発注・契約は全て対象外です。必ず交付決定通知を受けてから、契約・発注・購入を行ってください(見積取得は申請前でも可)。
②原則として2社以上の見積書が必要です(1社しか取れない場合は理由書が必要)。
③成果目標を達成できなければ助成金は支給されません。労使でよく話し合い、確実に達成できる目標を設定してください。
④同一年度での複数申請や、前年度と全く同じ成果目標の選択はできません。
社労士を活用するとコンサル費用も助成対象に
このコースでは就業規則の改定・届出、36協定の見直し、年休管理簿の整備など、労務管理のルール整備にかかる費用が助成対象になります。社会保険労務士に依頼すると、コンサルティング費用そのものが助成対象となるため、一石二鳥の活用が可能です。
- 就業規則の改定:時間外労働の上限設定・年休計画的付与を就業規則に反映する
- 36協定の見直し:現在の協定時間を実態に合わせて適切な水準に引き下げる
- 年次有給休暇管理簿の整備:法的義務でもある管理体制を一緒に整える
- 申請書類のサポート:交付申請から支給申請まで書類作成を一括サポート
「うちは残業もそれほど多くないし、関係ない」と思っていませんか?実は、現在の36協定で月80時間超の残業を許容している事業場なら、今年度に月60〜80時間以下に引き下げるだけで50万円の助成が受けられます。そして翌年度にさらに月60時間以下に引き下げると追加で100万円の助成が受けられます。
段階的に活用できる設計になっているのがこのコースの大きな特徴です。申請期限は2026年11月30日。予算の上限に達した時点で締め切られる可能性もありますので、早めにご相談ください。
西宮市の社労士事務所が、交付申請から支給申請まで丁寧にサポートします。




