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お知らせ


従業員が病気やケガで長期休職し、復職後に別の職務に就くことになった——そんなとき、技能習得にかかる費用を会社が負担するのは当然のことと思っていませんか? 実は、そのような場合に使える助成金が存在します。それが「中途障害者等技能習得支援助成金」です。

この助成金は、在職中に障害を負った従業員(中途障害者)が職場に復帰するために必要な技能習得研修の費用を、JEEDが経費の4分の3、年間最大30万円(中小企業)を助成する制度です。知名度は高くありませんが、障害者雇用に取り組む中小企業にとって大変使いやすい助成金の一つです。

西宮市の社労士事務所・SR武田事務所が、令和8年度版として詳しく解説します。


中途障害者等技能習得支援助成金とは?

中途障害者等技能習得支援助成金は、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が運営する「障害者介助等助成金」のメニューの一つです。

対象となるのは、在職中に障害を持つこととなった労働者(中途障害者)が、職場復帰後に別の職務に就くために必要な技術・知識を習得するための研修を実施する事業主です。事故・疾病によって休職を余儀なくされた従業員を、企業が継続雇用したうえで職場復帰を支援する取り組みに対して助成が行われます。

【制度のポイント】
・JEED(障害者雇用納付金制度)に基づく助成金
・在職中に障害を負った従業員の技能習得費用を助成
・助成率:経費の4分の3
・年間最大:20万円(通常)/30万円(中小企業)

対象となる「中途障害者等」とは?

この助成金でいう「中途障害者等」とは、以下の条件を満たす労働者です。

  • 身体障害・精神障害・高次脳機能障害・難病等を有する者
  • 障害や疾病に関連した療養のために、1か月以上の休職等が必要と医師に判断された者
  • 休職期間中も申請事業主の常用雇用労働者として継続雇用されていること
  • 雇用保険被保険者(週所定労働時間15時間以上の精神障害者を含む)

障害等級が変更されたかどうかは必須要件ではなく、医師が「療養のために1か月以上の休職が必要」と判断すれば対象となり得ます。これは比較的広く対象者を捉えている点が特徴です。


支給額・助成率

区分 助成率 年間支給限度額
中小企業以外 経費の4分の3 年間20万円
中小企業 経費の4分の3 年間30万円

支給期間は1年間です。研修にかかった実費(講師謝金、教材費など)に助成率(3/4)を乗じた額が支給されますが、上限額を超えた部分については支給されません。

【注意】
支給されるのは「研修にかかった実費の3/4」であり、従業員への給与・賃金は支給対象外です。また、支給条件として、助成金の支給対象となる施設等を一定期間、対象障害者のために使用することが求められます。

対象となる「技能習得研修」の要件

すべての研修費用が助成されるわけではありません。対象となる技能習得研修には、以下の要件があります。

  • 支給対象障害者の障害特性に応じた内容であること
  • 新たな職務の遂行に必要となる基本的な知識・技術を習得するための講習であること
  • 1回の講習時間が1時間以上であること
  • 講師は、講習内容に直接関連する職種の経験が3年以上あること

社内研修・外部研修いずれも対象となりますが、上記すべての要件を満たす必要があります。


申請の流れ・主な必要書類

この助成金は、まず受給資格の認定申請を行い、その後に支給請求を行うという二段階の手続きが必要です。

  1. 受給資格認定申請(研修開始前に申請)
    申請事業所の所在地を管轄するJEED都道府県支部に、受給資格認定申請書・医師の意見書・事業・支援計画書等を提出します。
  2. 研修の実施
    認定を受けた後に、計画に基づき研修を実施します。
  3. 支給請求(研修終了後)
    支給請求書・費用の支払実績報告書等を提出します。
  4. 助成金の受給
    審査後、指定口座に振り込まれます。

主な申請書類

  • 障害者助成金受給資格認定申請書チェックリスト
  • 支給要件確認申立書(様式第540号)
  • 障害者助成金受給資格認定申請書(様式第519号)
  • 事業・支援計画書(助添付様式第80号)
  • 医師の意見書(様式第580号)
  • 支給対象費用と非支給対象費用の仕分表(助添付様式第75号-2)
【提出先】
申請事業所の所在地を管轄するJEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)都道府県支部へ、持参・郵送またはe-Gov電子申請で提出してください。
兵庫県の場合:JEED兵庫支部 高齢・障害者業務課(神戸市内)

「中高年齢等障害者技能習得支援助成金」との違い

JEEDには、中途障害者に似た助成金として「中高年齢等障害者技能習得支援助成金」もあります。両者の主な違いは次の通りです。

比較項目 中途障害者等技能習得支援 中高年齢等障害者技能習得支援
対象者 在職中に障害を負った者(1ヶ月以上の休職) 45歳以上の障害者で技能習得が必要な者
助成率 経費の3/4 経費の3/4
目的 職務転換のための技能習得 加齢に伴う体力低下等への対応

どちらに該当するか判断が難しい場合は、JEED都道府県支部や社労士にご相談ください。


この助成金を活用すべき場面

中途障害者等技能習得支援助成金が特に役立つのは、以下のような場面です。

  • 従業員が業務中の事故や疾病で障害を負い、元の職務が困難になった場合
  • 長期休職後の復帰にあたり、新しい職務に適応するための研修が必要な場合
  • 障害者の「職場復帰支援プラン」を策定し、継続雇用を進めたい場合
  • 精神障害・高次脳機能障害等で認知機能に変化が生じ、異なる作業への転換が必要な場合

障害者雇用に熱心な企業でも、この助成金の存在を知らないために活用できていないケースが多く見受けられます。従業員を大切にする姿勢と、適切な助成金の活用は両立できます。


まとめ・ご相談はSR武田事務所へ

中途障害者等技能習得支援助成金は、在職中に障害を負った従業員の技能習得費用を、経費の3/4・最大年30万円(中小企業)助成する制度です。JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)への申請が必要で、研修開始前の事前認定申請が必要な点に注意が必要です。

障害者を継続雇用しながら職場復帰を支援したい中小企業の経営者・総務担当者の方は、ぜひご活用ください。助成金の要件確認や申請書類の準備は、社会保険労務士にご相談いただくとスムーズです。

西宮市の社労士事務所「SR武田事務所」では、障害者雇用に関する助成金の申請支援や、各種雇用管理についてのご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

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