「高齢の方や障害のある方を採用したいけれど、会社の負担が大きくなるのでは……」——そんな不安を抱えている事業主の方に、ぜひ知っていただきたい制度があります。
それが、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)です。60歳以上の高年齢者・障害者・ひとり親家庭の方などを、ハローワーク等の紹介により雇い入れた場合に、最大240万円が支給される助成金です。
どんな人を採用すると対象になるの?
以下のいずれかに該当する方を雇い入れた場合が対象です。
- 高年齢者(60歳以上65歳未満)
- 身体障害者・知的障害者
- 重度障害者等(重度身体・知的障害者、45歳以上の障害者、精神障害者)
- 母子家庭の母・父子家庭の父
- 補完的保護対象者・ウクライナ避難民など
ポイントは、必ずハローワークまたは民間職業紹介事業者の紹介を通じた採用であることです。縁故採用や直接採用では対象外となりますのでご注意ください。
支給額はいくら?
支給額は対象労働者の区分と企業規模によって異なります。
| 対象労働者の区分 | 中小企業 | 中小企業以外 |
|---|---|---|
| 高年齢者等(60歳以上) | 60万円 | 50万円 |
| 身体・知的障害者 | 120万円 | 50万円 |
| 重度障害者等(精神障害者含む) | 240万円 | 100万円 |
なお、短時間労働者(週20時間以上30時間未満)を雇い入れた場合は、支給額が少なくなります(高年齢者等:40万円、障害者:80万円 ※中小企業の場合)。
支給は一括ではなく、支給対象期ごとに分割されます。
支給期間はどれくらい?
| 対象労働者の区分 | 支給期間(中小企業) |
|---|---|
| 高年齢者等 | 1年間 |
| 身体・知的障害者 | 2年間 |
| 重度障害者等(精神障害者含む) | 3年間 |
主な受給要件
- ハローワーク等の紹介による雇い入れであること
- 雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として継続雇用すること
- 対象労働者が65歳以上に達するまで継続し、かつ2年以上の雇用見込みがあること
- 有期雇用契約の場合は自動更新条項が含まれていること
申請の流れ
- ハローワーク等の紹介で対象者を採用する
- 採用後、管轄のハローワークまたは都道府県労働局に申請書類を提出する
- 支給対象期ごとに繰り返し申請を行う
電子申請(e-Gov)も利用可能です。
2026年5月以降の重要な変更点
令和8年(2026年)5月1日以降に雇い入れた高年齢者については、対象がより限定されます。具体的には、ハローワーク等による就労支援を受けている方に限定されることになります。
採用を検討中の方は、事前に必ずハローワークで対象者の要件を確認しましょう。
また、令和8年4月以降の申請からは、賃金台帳の提出が必須となりました。支給申請の際は忘れずに準備してください。
こんな会社に特におすすめ
- 人手不足で採用を強化したい中小企業・小規模事業者
- 障害者雇用を検討しているが費用面が不安な事業者
- 高齢者の豊富な経験や技術を活かしたい職場
- ひとり親家庭の方の就業支援に取り組みたい事業者
まとめ
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は、高齢者・障害者・ひとり親家庭の方などを採用した際に、最大240万円という大きな支援が受けられる制度です。
ただし、ハローワーク等の紹介が必須であること、2026年5月以降は一部要件が変更されること、申請には賃金台帳の提出が必要になることなど、細かい要件があります。
「うちの会社でも活用できるかな?」と感じた事業主の方は、ぜひ社会保険労務士にご相談ください。申請手続きのサポートも承っております。




