「人材を確保したいけど、どの助成金を使えばいいのかわからない」「人材確保等支援助成金を調べたら、コースが多すぎて迷ってしまった」という声をよくお聞きします。
人材確保等支援助成金は、魅力ある職場づくりのために労働環境の向上を図る事業主や事業協同組合等を対象とした国の助成金です。令和8年度は全7コースが設けられており、テレワーク導入から建設業の人材確保まで、幅広い取り組みを対象としています。
このページでは、7つのコースの内容・支給額・対象企業を比較し、自社に最適なコースの選び方をわかりやすくご説明します。令和8年度からテレワークコースに「実施拡大事業主」が新たに加わるなど、重要な改正点も合わせて解説します。
人材確保等支援助成金とは?
人材確保等支援助成金は、従業員の定着率向上や労働環境の整備に取り組む事業主を対象とした、厚生労働省の雇用関係助成金です。
制度の主な特徴は以下の通りです。
- 業種・企業の状況によって利用できるコースが異なる(全7コース)
- テレワーク、外国人雇用、建設業など幅広いテーマをカバー
- 一部のコースは事業主団体(事業協同組合等)も対象
- 支給要件を満たせば、コースによっては最大1,000万円超の助成が受けられる
令和8年度の主な変更点
令和8年度に特に重要な改正があったのはテレワークコースと建設分野のコースです。
- テレワークコースに「実施拡大事業主」が新設(令和8年度から):これまでは新規にテレワークを導入する事業主のみが対象でしたが、令和8年度から既にテレワークを導入しており、実施をさらに拡大しようとする事業主も助成対象になりました。
- 建設分野:定着助成1人42万円が新設:若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)で、新たに定着助成が設けられました。
- 手続きの簡素化(令和7年度から継続):テレワーク実施計画の事前認定が不要となり、申請手続きが簡素化されています。
全7コース比較一覧
7つのコースを下表で比較できます。自社の状況に近いコースを確認してみてください。
| コース名 | 最大支給額の目安 | 主な対象 |
|---|---|---|
| ①雇用管理制度・雇用環境整備助成コース | 最大325万円程度 | すべての中小企業 |
| ②中小企業団体助成コース | 最大1,000万円 | 事業協同組合等の団体 |
| ③建設キャリアアップシステム等活用促進コース | 技能者1人16万円 | 建設業 |
| ④若年者及び女性に魅力ある職場づくり(建設分野) | 経費の3/5〜3/4(定着助成1人42万円) | 建設業 |
| ⑤作業員宿舎等設置助成コース(建設分野) | 経費の3/5〜3/4または1人25万円 | 建設業 |
| ⑥外国人労働者就労環境整備助成コース | 最大80万円 | 外国人労働者雇用企業 |
| ⑦テレワークコース | 最大35万円 | テレワーク新規導入・拡大企業 |
各コースの詳細解説
①雇用管理制度・雇用環境整備助成コース
中小企業が最も活用しやすい、汎用性の高いコースです。従業員の離職率を下げるための制度整備や設備投資に対して助成されます。
- 支給額:制度導入助成として1制度あたり20〜40万円(上限80万円)、機器等導入経費の1/2(上限150万円)
- 主な対象取り組み:保育施設の設置・整備、社員食堂・休憩室の整備、健康づくり制度の導入など
- 要件:制度を導入し、一定の離職率目標を達成すること
②中小企業団体助成コース
事業協同組合等の団体が、傘下の中小企業の雇用管理改善を支援する場合に助成されます。業界全体の環境改善に取り組む際に活用できます。
- 支給額:費用の2/3(上限600〜1,000万円)
- 要件:労働環境向上計画を策定し、認定を受けること
③〜⑤建設業向け3コース
建設業向けの専用コースが3つあります。建設業の事業主の方は、これらのコースを優先的にご確認ください。
- 建設キャリアアップシステム等活用促進コース:技能者全員のCCUS登録とレベルアップを達成すると1人あたり16万円
- 若年者及び女性に魅力ある職場づくり(建設分野):若年者・女性の採用促進のための施設整備等に経費の3/5〜3/4(令和8年度から定着助成1人42万円が新設)
- 作業員宿舎等設置助成(建設分野):宿舎・食堂・シャワー室等の整備に経費の3/5〜3/4または建設労働者1人あたり25万円
⑥外国人労働者就労環境整備助成コース
外国人労働者を雇用している、または雇用を予定している企業が対象です。就業規則・賃金規程等の多言語化、専門家によるコンサルティング費用などに助成されます。
- 支給額:1制度あたり20万円(上限80万円)
- 要件:外国人労働者向けの就労環境整備計画を策定し実施すること
⑦テレワークコース(令和8年度から「実施拡大事業主」も対象!)
テレワーク制度を整備・拡大し、人材確保につなげた中小企業が対象です。令和8年度から既導入企業(実施拡大事業主)も新たに対象になりました。
| 区分 | 支給額 |
|---|---|
| 制度導入助成 | 20万円(企業単位) |
| 目標達成助成 | 10万円(賃金5%以上引上げの場合は15万円) |
| 合計最大 | 35万円 |
実施拡大事業主として申請する場合は、前年同期比で25%以上のテレワーク実施者増加が要件となります。テレワークをすでに導入している企業にとって、さらなる推進を国が支援してくれる制度です。
どのコースが自社に合うか?選び方のポイント
コースを選ぶ際は、以下の順番で考えると整理しやすくなります。
- 建設業かどうかを確認する:建設業であれば③〜⑤の専用コースを優先検討
- 外国人雇用の有無を確認する:外国人労働者を雇用しているなら⑥コースが候補に
- テレワークの導入・拡大意向を確認する:新規導入でも既導入の拡大でも⑦テレワークコースが使える
- 事業協同組合等の立場かどうか確認する:組合・団体なら②中小企業団体コースで大きな助成が可能
- 業種を問わず職場環境改善に取り組むなら:①雇用管理制度コースが最も汎用性が高い
申請の流れと注意点
いずれのコースも、基本的な申請の流れは共通しています。
- 対象コースと支給要件の確認:自社が対象になるか、要件を満たせるか事前に確認する
- 雇用管理改善計画書の作成:コースごとの計画書フォーマットに沿って作成する
- 都道府県労働局への申請:兵庫県の場合は兵庫労働局(または最寄りのハローワーク)に申請
- 取り組みの実施:認定された計画に沿って制度導入・環境整備を実施する
- 支給申請:実施完了後に支給申請書類を提出し、審査を受ける
重要な注意点:助成金の多くは、申請・認定を受ける前に取り組みを開始してしまうと対象外になります。「やってしまってから申請しよう」という順番では受け付けてもらえませんので、必ず事前に申請・計画認定の手続きを行ってから着手してください。
まとめ
人材確保等支援助成金は、テレワーク・外国人雇用・建設業などさまざまな企業ニーズに対応した全7コースを持つ助成金です。令和8年度からは、テレワークコースで「実施拡大事業主」が新たに対象となり、既にテレワークを導入している企業も活用しやすくなりました。
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