「UIJターン採用で助成金を受けたい」と考えている事業主の方から、「早期再就職支援等助成金(UIJターンコース)はどこに申請すればいいですか?」というご相談を受けることがあります。しかし残念ながら、この助成金は令和7年度末(2026年3月31日)をもって終了しました。
本記事では、UIJターンコースがどのような助成金だったかをおさらいした上で、令和8年度以降(2026年4月以降)に代わりとして活用できる助成金・支援制度について、西宮市の社会保険労務士が解説します。
UIJターンとは?地方移住採用が注目される理由
「UIJターン」とは、都市部(主に東京圏)から地方へ移住する動きを指します。
- Uターン:出身地(地方)へ戻る移住
- Iターン:出身地とは異なる地方へ移住
- Jターン:出身地近くの地方都市へ移住
近年、テレワークの普及・物価上昇・ライフスタイルの変化などを背景に、東京圏から地方への移住希望者が増加しています。地方の中小企業にとっては、こうした移住者を即戦力として採用できる貴重なチャンスです。西宮市を含む兵庫県も、移住促進に力を入れており、関連する支援制度が複数あります。
早期再就職支援等助成金(UIJターンコース)の概要
この助成金は、東京圏から地方へ移住した求職者(UIJターン者)を雇い入れた事業主に対し、採用活動に要した経費の一部を助成するものでした。
主な受給要件(終了した制度の概要)
- 東京圏からの移住者を雇用していること
- デジタル田園都市国家構想交付金を活用した地方公共団体のマッチングサイトに掲載された求人への応募者であること
- 採用活動計画書を事前に労働局へ提出し、認定を受けていること
- 雇用保険の一般被保険者として継続雇用していること
支給額(終了した制度の概要)
| 企業規模 | 助成率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 中小企業 | 採用活動経費の1/2 | 100万円 |
| 中小企業以外 | 採用活動経費の1/3 | 100万円 |
募集パンフレット作成、企業ホームページ改修、就職説明会・面接会の開催費用などが助成対象でした。
なぜ令和7年度末で終了したのか
UIJターンコースは、デジタル田園都市国家構想の推進を背景に創設されましたが、令和7年度末(2026年3月31日)をもって受付が終了しました。新規の計画書申請も、現在は受け付けていません。
政策の見直しにより、地方移住・採用支援については地方公共団体主導の制度(移住支援金・奨励金)に重点が移行している状況です。事業主向けの採用経費助成としては、他の制度を組み合わせて活用することが必要になっています。
令和8年度以降に使える代替の助成金・支援制度
UIJターンコースは終了しましたが、地方移住者や特定の求職者を採用した場合に活用できる助成金は他にも存在します。以下に主なものをご紹介します。
① 地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
「地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)」は、雇用機会が特に不足している地域(同意雇用開発促進地域等)の事業主が、地域に居住する求職者を雇い入れ、その後事業所の設備・施設整備を行った場合に助成されます。
- 対象地域:同意雇用開発促進地域、過疎等雇用改善地域など(ハローワークで確認)
- 支給額:創業・増設規模や雇用者数に応じて最大600万円(中小企業)
- ポイント:UIJターン者に限らず、地域在住の求職者の雇い入れが対象
② 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
60歳以上の高年齢者、障害者、母子家庭の母などを雇い入れた場合に受給できる助成金です。UIJターンした方が、これらのカテゴリに該当する場合(例:60歳以上でUターンした方)は活用できます。
- 中小企業の場合:60歳以上の雇用で最大90万円(1年分)
- 申請先:ハローワーク
③ 人材開発支援助成金(人への投資促進コース)
新たに採用した社員への研修・教育訓練費用を助成するコースです。UIJターン者を採用後、スキルアップのための研修を実施する場合に活用できます。
- 助成率:中小企業は訓練費用の最大75%
- 対象:デジタル・グリーン分野など幅広い訓練
④ 兵庫県・西宮市などの移住支援金との組み合わせ
国や都道府県・市区町村が実施する「移住支援金」は、東京圏から地方へ移住した方個人に給付されるものですが、移住先での就職・転職がその条件となっていることが多く、企業にとっても採用のインセンティブになります。
兵庫県では「ひょうご移住ガイド」を通じて移住促進を行っており、一定の条件を満たす移住者に支援金が給付されます。採用時に「移住支援金が受け取れる求人」として求人票に記載することで、移住希望者からの応募を増やす効果も期待できます。
UIJターン採用を成功させるための実務ポイント
①「マッチングサイト」への求人掲載を継続する
UIJターンコースは終了しましたが、都道府県や市区町村が運営するマッチングサイト(「ふるさと求人」「移住・交流推進機構(JOIN)」など)への求人掲載は引き続き有効です。移住希望者が積極的に活用しているため、採用機会が広がります。
②採用条件の整備(テレワーク・フレックス)
移住者が選ぶ職場として魅力的であるためには、柔軟な働き方が重要です。テレワーク制度の整備には「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」が活用できます(令和8年度も受付中)。
③ハローワーク求人への「移住支援対象求人」登録
各都道府県の移住支援金制度では、ハローワークに「移住支援対象求人」として登録することで、移住希望者が応募しやすくなります。手続きはハローワークで確認できます。
まとめ
早期再就職支援等助成金(UIJターンコース)は、令和7年度末(2026年3月)をもって終了しました。しかし、地方移住者・UIJターン者の採用を支援する仕組みは、他の助成金制度や地方自治体の移住支援制度を組み合わせることで引き続き活用できます。
| 代替制度 | 特徴 | 最大支給額 |
|---|---|---|
| 地域雇用開発助成金 | 地域在住者の採用×設備投資 | 最大600万円 |
| 特定求職者雇用開発助成金 | 高齢者・障害者など特定層の採用 | 最大90万円 |
| 人材開発支援助成金(人への投資促進コース) | 採用後の研修費用の一部を助成 | 訓練費の最大75% |
| 移住支援金(個人給付) | 移住者本人への給付(採用要件あり) | 最大100万円(世帯) |
「どの助成金が自社の採用に使えるのか分からない」「申請手続きのサポートをお願いしたい」という事業主の方は、ぜひ西宮市の社会保険労務士事務所・SR竹田事務所にご相談ください。助成金の申請から採用制度の整備まで、トータルでサポートいたします。




