令和9年度(2027年度)の厚生労働省予算概算要求が公表され、業務改善助成金の予算額が令和8年度当初の21億円から543億円へと約26倍もの大幅増となることが明らかになりました。中小企業の生産性向上と賃上げを強力に後押しする大きな政策転換です。西宮市の社会保険労務士事務所が最新情報をわかりやすく解説します。
令和9年度概算要求のポイント
厚生労働省が公表した令和9年度予算概算要求では、生産性向上を通じた「賃上げ」支援助成金パッケージ全体に2,016億円を要求しています。これは令和8年度当初予算と比べて約800億円の大幅増となります。
その中でも特に注目すべきは業務改善助成金の予算額です。令和8年度当初の21億円から、新設された「強く豊かな日本」投資枠を活用して543億円が計上される予定となっています。
| 項目 | 令和8年度当初 | 令和9年度概算要求 |
|---|---|---|
| 業務改善助成金 | 21億円 | 543億円 |
| 賃上げ支援助成金パッケージ全体 | 約1,216億円 | 2,016億円 |
| 一般会計要求額 | ― | 36兆5,803億円(過去最大) |
業務改善助成金とは?
業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者が生産性向上のための設備投資等を行い、事業場内最低賃金を引き上げた場合に費用の一部を助成する制度です。厚生労働省が運営しており、次のような特徴があります。
- 対象:中小企業・小規模事業者(事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること)
- 用途:機械設備の導入、コンサルティング、人材育成・教育訓練、業務効率化のためのICTツール導入など
- 助成率:対象経費の3/4〜9/10(コースにより異なる)
- 賃上げ要件:事業場内最低賃金を30円・45円・60円・90円のいずれかのコース額以上引き上げること
令和9年度の変更予定
概算要求では、予算増額に加えて以下の改善も盛り込まれています。
1. 一部コースの助成上限額の引上げ
現行の助成上限額(最大600万円等)からの引上げが予定されています。予算が大幅に増えることで、より多くの中小企業が申請できる環境が整います。
2. 申請期間の拡充
現行では年度途中で予算が尽きると申請受付が終了するケースがありました。543億円という大幅な予算増により、年度を通じた安定的な申請受付が期待できます。
3. 「強く豊かな日本」投資枠の活用
新設された投資枠を活用することで、より積極的な設備投資・生産性向上への支援が可能となります。
経営者・人事担当者が今すぐすべきこと
業務改善助成金は概算要求の段階であり、正式な予算成立は令和9年3月頃となります。ただし、令和8年度の業務改善助成金は現在も申請受付中ですので、以下の点をご確認ください。
【令和8年度 業務改善助成金の確認ポイント】
- ✅ 事業場内最低賃金と地域最低賃金の差額が50円以内か確認
- ✅ 設備投資・ICT導入・コンサルティング等の計画があるか確認
- ✅ 最低賃金の引上げ幅(30円・45円・60円・90円コース)を検討
- ✅ 予算が尽きる前に早めに申請準備を開始
【令和9年度に向けた準備】
- ✅ 令和9年4月以降の設備投資計画を今から立案
- ✅ 就業規則・賃金規程の整備を事前に実施
- ✅ 社労士へ相談し申請書類の準備を進める
賃上げ支援助成金パッケージの全体像
業務改善助成金以外にも、令和9年度概算要求では賃上げ支援のための助成金全体が大幅に強化される見込みです。主な助成金パッケージには以下のものが含まれています。
- 業務改善助成金(生産性向上+最低賃金引上げ)
- キャリアアップ助成金(非正規から正社員化等)
- 人材確保等支援助成金(雇用管理改善による定着促進)
- 人材開発支援助成金(従業員の職業能力開発)
これらを組み合わせることで、賃上げにかかるコスト負担を大幅に軽減できる可能性があります。
まとめ:今が助成金活用の絶好のタイミング
政府は最低賃金1,500円達成を目標に掲げており、中小企業への賃上げ支援を強化し続けています。令和9年度の業務改善助成金予算が543億円と大幅に増額されることは、多くの中小企業にとって設備投資・生産性向上・賃上げを同時に実現するチャンスです。
ただし、助成金は申請要件の確認・書類作成・タイミングが重要です。西宮市の社会保険労務士事務所・竹田社労士事務所では、業務改善助成金をはじめとする各種助成金の申請サポートを承っております。お気軽にご相談ください。
📋 出典・参考情報
厚生労働省「令和9年度厚生労働省予算概算要求の概要」(2026年8月公表)
全国社会保険労務士会連合会 NEWS HEADLINE(2026年9月)




