「パートさんをそろそろ正社員にしてあげたいが、コストが心配…」と悩んでいる経営者・総務担当者の方に、ぜひ活用していただきたいのがキャリアアップ助成金(正社員化コース)です。パートタイマーや有期契約社員を正社員に転換した場合に、最大80万円(中小企業)の助成金が支給される、非常に使いやすい制度です。
キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは?
キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者といった非正規雇用労働者のキャリアアップを促進するための助成金です(厚生労働省所管)。
なかでも「正社員化コース」は、有期雇用契約の労働者や短時間労働者を正社員(無期雇用フルタイム)に転換した場合に支給されるもので、中小企業を中心に非常に多くの申請実績があります。
支給額(2026年度)
| 転換の種類 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 有期雇用 → 正規雇用 | 80万円 | 60万円 |
| 無期雇用 → 正規雇用 | 40万円 | 30万円 |
| 有期雇用 → 無期雇用 | 40万円 | 30万円 |
※1年度につき、1事業所あたり上記の転換区分ごとに最大20人まで申請可能です。
※「正規雇用」への転換の場合、賃金を転換前より3%以上増額する必要があります(2023年11月以降の転換)。
申請するための主な要件
- 雇用保険適用事業所であること
- キャリアアップ計画を作成・提出していること(転換前に管轄の労働局またはハローワークへ提出)
- 就業規則または労働協約に転換制度を規定していること
- 転換前に6ヶ月以上継続して有期雇用していること
- 転換後6ヶ月間、雇用を継続して賃金を支払っていること
- 転換後の賃金が転換前と比べて3%以上増額していること(正規雇用転換の場合)
申請の流れ
- キャリアアップ計画の作成・提出:転換を行う前に、計画書を管轄の労働局等に提出します
- 就業規則に転換制度を明記:正社員への転換条件・手続きを規定します
- 転換の実施:対象労働者を正社員(または無期・フルタイム)に転換します
- 転換後6ヶ月間の雇用継続・賃金支払い
- 支給申請:転換後6ヶ月経過した日の翌日から2ヶ月以内に申請書類を提出
- 支給決定・振込:審査後、助成金が振り込まれます
注意点・よくある失敗
❌ キャリアアップ計画の事前提出を忘れた
転換前に計画を提出しておかなければ、後から申請できません。「正社員にしよう」と決めたら、まず計画提出が必要です。
❌ 就業規則に転換制度の規定がなかった
「うちの就業規則には正社員転換の規定がない」という場合は、事前に規定を整備する必要があります。
❌ 賃金の3%アップが確認できなかった
転換後の賃金が転換前と比べて3%以上増額されていることを、賃金台帳等で証明できるようにしておく必要があります。
❌ 転換後6ヶ月以内に退職してしまった
転換後の雇用継続が要件のため、対象者が6ヶ月以内に退職すると支給されません。
まとめ
キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、就業規則の整備とキャリアアップ計画の事前提出さえ行っておけば、比較的申請しやすい助成金です。パートタイマーや有期契約社員の正社員化を検討している場合は、ぜひ事前に準備を進めてください。
「就業規則に転換規定を追加したい」「キャリアアップ計画の作成・提出をサポートしてほしい」という方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
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