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【令和8年度版】重度障害者等通勤対策助成金「住宅手当の支払助成金」とは?障害のある社員が職場近くに住むための住宅手当を支援する制度の概要・対象要件・申請方法を西宮の社労士が解説


この記事では、JEEDが運営する「重度障害者等通勤対策助成金(住宅手当の支払助成金)」について、制度の概要・対象事業主・助成内容・申請方法をわかりやすく解説します。障害のある従業員が職場近くに転居できるよう住宅手当を支払う事業主を支援するこの助成金は、障害者雇用に取り組む企業にとって見落としがちな制度のひとつです。

重度障害者等通勤対策助成金とは

重度障害者等通勤対策助成金は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が管理・運営する助成金で、重度の障害がある労働者の通勤を支援するために、事業主が行うさまざまな取り組みに対して費用の一部を助成するものです。

障害のある方が安定して就労を続けるためには「通勤」の問題が大きな壁になる場合があります。自力での移動が困難な方や、住居と職場の距離が遠い方にとって、通勤手段の確保は就労継続に直結する課題です。この助成金は、そうした通勤の課題を解決するための事業主の取り組みに対して幅広く助成しています。

助成の種類 概要
重度障害者等用住宅の賃借助成金 職場近くの住宅を借り上げる費用を助成
住宅手当の支払助成金 障害者に支払う住宅手当の費用を助成(本記事で解説)
指導員の配置助成金 通勤時の補助をする指導員の配置費用を助成
通勤援助者の委嘱助成金 通勤を援助する者への委嘱費用を助成
通勤用自動車の購入助成金 専用車両の購入費用を助成
通勤用バスの購入助成金 複数の重度障害者を輸送するバスの購入費用を助成
通勤用バス運転従事者の委嘱助成金 専用バスの運転者への委嘱費用を助成
駐車場の賃借助成金 通勤用駐車場の賃借費用を助成
重度訪問介護サービス利用者等通勤援助助成金 重度訪問介護を利用しながら通勤する際の援助費用を助成

住宅手当の支払助成金とは

「住宅手当の支払助成金」は、重度障害のある労働者が職場の近くに居住することで通勤が可能になるよう、事業主が当該労働者に対して住宅手当を支払う場合に、その費用の一部を助成する制度です。

同じ系列の「重度障害者等用住宅の賃借助成金」が事業主が住宅を直接借り上げる費用への助成であるのに対し、住宅手当の支払助成金は事業主が従業員に支払う住宅手当(賃金の一部)への助成という点が大きな違いです。就業規則や賃金規程等に基づいて支払われる住宅手当が対象となります。

対象事業主の要件

以下の要件をすべて満たす事業主が対象となります。

  • 障害者雇用促進法の適用を受ける民間事業主であること
  • 対象となる重度障害者等を雇用していること
  • 雇用保険の適用事業主であること
  • 労働関係法令(労働基準法・最低賃金法など)を遵守していること
  • 過去に助成金の不正受給がないこと
  • 対象障害者に対して実際に住宅手当を支払っていること
  • 支払う住宅手当が就業規則や賃金規程等に規定されていること

対象となる障害者(支給対象障害者)

助成の対象となるのは、以下のいずれかに該当する重度障害者等です。

障害の区分 対象の基準
身体障害者 身体障害者手帳1級または2級(重度身体障害者)
知的障害者 療育手帳の判定が重度(A判定等)以上の者
精神障害者 精神障害者保健福祉手帳1級の交付を受けた者
高次脳機能障害者 医師の診断書等により高次脳機能障害と確認できる者で一定の要件を満たす者
難治性疾患患者 JEEDが指定する難治性疾患の認定を受けた者で一定の要件を満たす者

助成内容・支給要件

支給対象となる住宅手当の条件

支給対象となる住宅手当は、以下の条件を満たすことが必要です。

  • 対象障害者が職場の近く(通勤可能な範囲)に居住するために支払われるものであること
  • 就業規則・賃金規程等の社内規程に基づき支払われていること
  • 実際に支払いが行われ、その記録が確認できること
  • 住宅手当の支払いが対象障害者の通勤に資するものであること

助成率・上限額

具体的な助成率および月額上限額は、事業規模や対象障害者の状況によって異なります。また、助成の上限金額は年度によって見直されることがあります。

重度障害者等通勤対策助成金全体のしくみとして、事業主が支払った費用の一定割合(原則として2/3または3/4程度)を、月額上限の範囲内で助成する仕組みになっています。最新の助成率・上限額については、JEEDが毎年度発行する公式パンフレット、または管轄のJEED都道府県支部にてご確認ください。

支給対象期間

住宅手当の支払助成金には支給対象期間の上限が設けられており、同一の障害者に対して無期限に支給されるわけではありません。詳細な期間についてはJEEDにお問い合わせください。

申請手続きの流れ

申請は「受給資格認定申請」と「支給申請」の2段階で行います。

  1. 受給資格認定申請
    住宅手当の支払開始前に、事業所の所在地を管轄するJEED都道府県支部に受給資格認定申請を提出します。
  2. 審査・認定通知の受領
    JEEDが申請書類を審査し、要件を満たしていれば受給資格認定通知書が交付されます。
  3. 住宅手当の支払い開始
    認定を受けた後、就業規則・賃金規程等に基づき対象障害者に住宅手当を支払います。
  4. 支給申請
    支払い実績に基づいて、定期的に管轄のJEED都道府県支部に支給申請を行います。
  5. 助成金の支給
    審査の後、要件を満たしていれば助成金が口座に振り込まれます。

申請先・お問い合わせ窓口

申請・相談の窓口は、事業所の所在地を管轄するJEED都道府県支部(高齢・障害者業務課)です。持参・郵送またはe-Gov電子申請サービスでも申請が可能です。

兵庫県内の事業主の方は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 兵庫支部(神戸市)が窓口となります。

よくある質問

Q. 住宅手当を支払えばどの事業主でも申請できますか?

A. 住宅手当の支払いだけでは申請できません。対象となる重度障害者等を雇用していること、雇用保険の適用事業主であること、就業規則等に住宅手当の規定があることなど、複数の要件をすべて満たす必要があります。

Q. 認定前に住宅手当を支払い始めてしまった場合はどうなりますか?

A. 原則として受給資格認定申請を行い認定を受けた後に住宅手当の支払いを開始する流れが必要です。事前の認定なしに支払いを開始した場合、助成の対象外となる可能性があります。不明な点は早めにJEED都道府県支部にご相談ください。

Q. 他の重度障害者等通勤対策助成金と同時に受給できますか?

A. 取り組みの内容によっては複数の種類の助成金を組み合わせて利用できる場合もあります。ただし、同一費用に対する重複受給はできません。詳細はJEED都道府県支部にご相談ください。

Q. 社会保険労務士に申請を代行してもらえますか?

A. 社会保険労務士は、助成金申請書類の作成・確認・手続きの支援を行うことができます。申請手続きが複雑な場合や、複数の助成金を同時に活用したい場合は、社労士への相談をおすすめします。

まとめ

重度障害者等通勤対策助成金「住宅手当の支払助成金」は、重度の障害を持つ従業員が職場近くに居住するための住宅手当を支払う事業主を支援する制度です。

障害者雇用を推進する上で「通勤」の問題は重要な課題のひとつです。住宅の賃借や通勤用車両の購入だけでなく、住宅手当という形でも助成が受けられることを知っておくことで、自社の状況に合った最適な通勤支援策を選択できます。

弊事務所(西宮の社会保険労務士事務所)では、障害者雇用に関する各種助成金の申請サポート、就業規則・賃金規程の整備など、企業の労務管理全般についてご相談を承っております。兵庫県西宮市を中心に、阪神間・神戸市・大阪府の事業主の皆様もお気軽にお問い合わせください。


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