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【令和8年度版】キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)とは?障害のある有期雇用労働者を正社員に転換すると最大120万円!申請要件と手続きの流れを西宮の社労士が解説


「障害のある従業員を正社員として雇用したいが、コスト面が心配」「有期契約で働いてもらっている障害者スタッフを正社員に転換したい」——そうお考えの経営者・人事担当者の方に、ぜひ活用していただきたい制度があります。

それが「キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)」です。有期雇用の障害のある従業員を正社員等に転換した事業主に対して、1人あたり最大120万円(重度障害者・中小企業の場合)が支給される制度です。通常の正社員化コースとは別に設けられた、障害者雇用専用の転換支援制度です。

このページでは、西宮市の社会保険労務士事務所「SR武田事務所」が、令和8年度の最新情報をもとに、制度の概要・支給額・申請要件・手続きの流れをわかりやすく解説します。


キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)とは?

キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)は、障害のある有期雇用労働者または無期雇用労働者を正規雇用労働者等に転換した事業主を対象に、転換1人あたりの助成金を支給する制度です。

通常の「正社員化コース」と混同されやすいですが、障害者正社員化コースは以下の点で異なります。

比較項目正社員化コース(通常)障害者正社員化コース
対象労働者障害の有無を問わない有期・無期雇用者障害のある有期・無期雇用者
支給額(中小企業・有期→正規)重点支援対象者:80万円重度障害者:120万円
支給上限人数のカウント1年度1事業所あたり上限あり正社員化コースの上限に含まない
賃金3%増額要件必要不要

障害者正社員化コースは、通常の正社員化コースよりも高い助成額が設定されており、かつ上限人数のカウントから除外されているため、障害者雇用と非障害者雇用の両方でキャリアアップ助成金を活用することができます。


対象となる障害者の種別

障害者正社員化コースでは、対象となる障害の種別によって助成額が異なります。

【重度障害者等】(支給額が高いグループ)

  • 重度身体障害者(身体障害者手帳1・2級)
  • 重度知的障害者(療育手帳A程度)
  • 精神障害者(精神障害者保健福祉手帳所持者)

【重度以外の障害者】(支給額が通常グループ)

  • 重度以外の身体障害者(身体障害者手帳3〜6級)
  • 重度以外の知的障害者(療育手帳B程度)
  • 発達障害者
  • 難病患者(難治性疾患患者)
  • 高次脳機能障害と診断された者

ポイント:精神障害者は手帳の等級にかかわらず「重度障害者等」として扱われ、支給額が高くなります。また、発達障害者・難病患者・高次脳機能障害者も対象に含まれる点が、一般的な「重度障害者」の概念より広い点に注意してください。


支給額の詳細(令和8年度)

支給額は障害の種別・転換の種類・企業規模(中小企業か否か)によって異なります。支給は1年間を6か月ずつ第1期・第2期に分割して行われます。

【重度障害者等(重度身体・重度知的・精神障害者)の場合】

転換の種類中小企業(年間)大企業(年間)支給の内訳
有期雇用 → 正規雇用120万円90万円第1期60万円+第2期60万円(大企業:45万円×2)
有期雇用 → 無期雇用60万円45万円第1期30万円+第2期30万円(大企業:22.5万円×2)
無期雇用 → 正規雇用60万円45万円第1期30万円+第2期30万円(大企業:22.5万円×2)

【重度以外の障害者(身体・知的・発達・難病・高次脳機能障害)の場合】

転換の種類中小企業(年間)大企業(年間)支給の内訳
有期雇用 → 正規雇用90万円67.5万円第1期45万円+第2期45万円(大企業:各33.75万円)
有期雇用 → 無期雇用45万円33万円第1期22.5万円+第2期22.5万円(大企業:16.5万円×2)
無期雇用 → 正規雇用45万円33万円第1期22.5万円+第2期22.5万円(大企業:16.5万円×2)

注意:支給額が転換対象労働者への賃金総額を超える場合は、賃金総額が上限となります。また、大企業の第2期の支給額は端数処理の関係で若干異なる場合があります。詳細は管轄の都道府県労働局にご確認ください。


申請要件

事業主の要件

  1. 雇用保険の適用事業主であること
  2. 転換前に「キャリアアップ計画書」を管轄の都道府県労働局またはハローワークに提出・受理されていること(事前提出が必須)
  3. 就業規則または労働協約に障害者を正社員等に転換する旨の規定を設けていること
  4. 過去3年以内に事業主都合による解雇・雇い止めがないこと
  5. 不正受給・不支給決定から一定期間が経過していること

対象労働者の要件

  • 転換前に対象事業主の事業所で有期雇用または無期雇用(フルタイム以外)として雇用されていること
  • 転換後に正規雇用労働者(無期雇用フルタイム)または無期雇用労働者として雇用されること
  • 転換時点で障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかを取得していること(発達障害者・難病患者・高次脳機能障害者については別途要件あり)
  • 転換後も継続して当該事業所に雇用されること
  • 事業主の3親等以内の親族でないこと

通常の正社員化コースと異なり、有期雇用期間が6か月以上という要件はなく、また転換後の賃金3%増額要件もありません。障害者のキャリアアップ促進という制度目的から、より利用しやすい要件設定になっています。


申請の流れ

  1. キャリアアップ計画書の作成・提出(転換前)
    「キャリアアップ計画書」および「計画届」を作成し、管轄の都道府県労働局またはハローワークに提出します。転換を行う前に必ず受理されていることが条件です。転換後の事後提出は認められません。
  2. 就業規則・労働協約への転換規定の整備
    障害のある有期雇用労働者等を正社員等に転換する旨の規定を就業規則または労働協約に明記します。
  3. 障害のある労働者を正社員等に転換
    キャリアアップ計画書の内容に基づき、対象の障害者を正社員等に転換します。
  4. 転換後6か月間の継続雇用
    転換後6か月間、継続して雇用します(第1期の確認期間)。
  5. 第1期の支給申請(6か月賃金支払い後2か月以内)
    6か月分の賃金を支払った翌日から2か月以内に、第1期の支給申請書と必要書類を提出します。
  6. さらに6か月継続雇用後、第2期の支給申請
    転換後12か月が経過し、12か月分の賃金を支払った翌日から2か月以内に第2期の申請を行います。
手続きタイミング提出先
キャリアアップ計画書の提出転換前(必須)管轄の都道府県労働局・ハローワーク
第1期 支給申請転換後6か月の賃金支払い翌日から2か月以内管轄の都道府県労働局
第2期 支給申請転換後12か月の賃金支払い翌日から2か月以内管轄の都道府県労働局

よくある注意点・失敗事例

① キャリアアップ計画書を転換後に提出してしまった

最もよくあるミスです。「転換が終わってから計画書を出せばいい」と思っていると、対象外になります。転換を決める前に計画書を提出・受理してもらうことが絶対条件です。「転換してから書類を整えよう」という順序は通用しません。

② 就業規則に転換規定がなかった

有期雇用の障害者を正社員にする旨が就業規則等に明記されていない場合は、対象外になります。計画書提出と同時に就業規則の整備も確認しておきましょう。

③ 支給申請の期限(2か月)を過ぎた

6か月賃金支払い後の2か月という申請期限は厳格です。スケジュールを管理表などで事前に把握しておきましょう。

④ 障害者手帳の取得が転換後だった

原則として、転換時点で障害者手帳等を取得済みであることが必要です。転換後に手帳を取得した場合は対象になりません(一部例外あり)。

⑤ 通常の正社員化コースと同時申請できるか?

同一の転換に対して両コースを重複受給することはできません。ただし、障害者正社員化コースは通常の正社員化コースの「支給申請上限人数」には含まれないため、事業所全体として複数の助成金を組み合わせて活用することは可能です。


他の障害者雇用関連助成金との違い

障害者の雇用に活用できる主な助成金を比較します。

助成金名目的対象主な支給額
キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)有期→正社員転換の促進雇用中の障害者従業員中小企業:最大120万円/人
特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)障害者の初回採用促進新たに障害者を雇用する中小企業最大120万円
障害者介助等助成金(JEED)在職障害者の職場定着支援障害者を雇用している事業主月額最大15万円程度
障害者雇用相談援助助成金(JEED)専門家による採用・定着支援障害者雇用に取り組む事業主最大120万円

キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)は「すでに雇っている障害のある有期社員・パートを正社員に転換する際」に活用できる制度です。新規採用とは異なり、既存の従業員のキャリアアップを支援するものです。


まとめ

  • ✅ 対象:障害のある有期・無期雇用労働者を正社員等に転換する事業主
  • ✅ 支給額(中小企業・重度障害者等・有期→正規):最大120万円(年間)
  • ✅ 精神障害者・発達障害者・難病患者・高次脳機能障害者も対象
  • 賃金3%増額要件なし(通常の正社員化コースと異なる)
  • ✅ 通常の正社員化コースの上限人数に含まれない
  • 転換前にキャリアアップ計画書の提出が必須
  • ✅ 就業規則等に障害者向けの転換規定が必要
  • ✅ 第1期・第2期各6か月ごとに支給(支給申請は各6か月の賃金支払い後2か月以内)

障害のあるパート・契約社員を正社員として迎え入れることは、本人のキャリアの安定につながるだけでなく、企業の法定雇用率の維持・改善にも直結します。制度をうまく活用して、障害者雇用の促進と職場環境の充実を図りましょう。


「自社のパート従業員の障害の種別がどれに当たるか確認したい」「キャリアアップ計画書の書き方を教えてほしい」「就業規則に転換規定を追加したい」など、申請に関するご不明点は、西宮市の社会保険労務士事務所・SR武田事務所にお気軽にご相談ください。助成金の要件確認から申請書類の作成・提出サポートまで、丁寧にご支援いたします。

参考:厚生労働省「キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)」


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