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裁量労働制の対象拡大へ議論加速!「みなし残業」と濫用防止策の最新動向を西宮の社労士が解説


「残業代を払わなくていい制度があると聞いたけれど、自社でも使えるの?」「裁量労働制を導入すれば人件費が下がるの?」という声を経営者の方からよくいただきます。

令和8年(2026年)6月、厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会において、「裁量労働制の対象拡大」に向けた議論が本格的にスタートしました。日本成長戦略会議の「労働市場改革分科会とりまとめ」を受け、具体的な制度設計の検討が始まっています。

この記事では、裁量労働制の基本からいま議論されている拡大の内容、そして企業が今から準備すべきことを、西宮市の社会保険労務士がわかりやすく解説します。

裁量労働制とは?残業代なしの「みなし労働」の仕組み

裁量労働制とは、仕事のやり方や時間配分を労働者が自分で決め、実際の労働時間にかかわらず「あらかじめ決めた時間」だけ働いたとみなす制度です。

  • 専門業務型:研究職・デザイナー・システムエンジニアなど法定19業種が対象。労使協定の締結が必要です。
  • 企画業務型:本社などで経営企画・調査分析などを行う「ホワイトカラー」が対象。労使委員会の決議と労働基準監督署への届出が必要です。

例えば、みなし労働時間を「1日8時間」と定めた場合、実際に10時間働いても、法律上は8時間労働として扱われます。そのため、深夜・休日労働を除いて時間外手当(残業代)は発生しません。

なぜいま「対象拡大」が議論されているのか

令和8年(2026年)6月、政府の「日本成長戦略会議 労働市場改革分科会」が、裁量労働制の対象拡大を含む労働市場改革のとりまとめを公表しました。

現行制度の専門業務型は適用できる職種が法定19業種に限られており、近年のAI・DX人材やマーケティング担当者など新しい職種には対応できていないという課題があります。政府は「優秀な人材が自律的・主体的に働けるよう環境を整える」ことを目指し、対象職種の拡大を検討しています。

労働政策審議会労働条件分科会は、このとりまとめ公表後、初めてとなる会合を開き、裁量労働制の対象拡大などをめぐって議論しました。使用者側は「裁量性の確保が裁量労働制の根幹」と指摘し、適用者の裁量性確保に向けた濫用防止対策の具体化を強調しています。

「濫用防止策の具体化」が制度拡大の鍵

対象を広げるには濫用防止策の整備が不可欠です。現在、次のような措置の具体化が検討されています。

  • 長時間労働の防止:一定時間を超えた場合は裁量労働制の適用から外す仕組みの導入
  • 健康管理の強化:長時間労働が続く社員については医師との面談を義務付け
  • 処遇確保:裁量労働手当を適切に設定し、毎月確実に支給する
  • 業務量の平準化:特定の社員に業務が集中しないよう職場環境を整備

「裁量労働制=残業代を払わなくてよい制度」という誤解は大変危険です。適切な処遇と健康管理が確保されない導入は、未払い残業代の請求や行政指導のリスクがあります。厚生労働省も令和8年4月に大規模な実態調査の実施を決定しており、適正な運用が一層求められています。

企業が今からできる準備

制度拡大の具体的な時期はまだ確定していませんが、今から準備を始めることで、施行時にスムーズに対応できます。

  • 現在の労働時間管理の見直し:裁量労働制を導入している場合、みなし時間と実態がかけ離れていないか確認しましょう。
  • 就業規則・労使協定の点検:拡大後の対象職種が自社にあるか検討し、必要な規定の整備を準備しておきましょう。
  • 健康管理体制の整備:定期健診・ストレスチェック・産業医との連携を強化し、記録を適切に保管しましょう。

まとめ

裁量労働制の対象拡大は、優秀な人材が自律的に働ける環境づくりという観点から大きな意義がありますが、「濫用防止策の具体化」が大前提です。制度を正しく理解し、適切に運用することが、企業と従業員双方にとっての安心につながります。

「自社に裁量労働制を導入できるか確認したい」「既存の運用が適法かチェックしてほしい」という方は、ぜひたけだリフテック社労士事務所にご相談ください。西宮市を拠点に、兵庫県内の中小企業の労務管理をサポートしています。


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