「重い障害を持つ従業員を採用したいが、業務中の介助コストが心配…」「重度訪問介護サービスを使っている社員が職場でも介助を受けられるようにしたい」そのようなお悩みをお持ちの経営者・人事担当者の方へ、この記事が参考になれば幸いです。
今回ご紹介するのは、JEEDが実施する「重度訪問介護サービス利用者等職場介助助成金」です。重度障害のある従業員が職場での業務を遂行するために必要な介助を、重度訪問介護サービス事業者に委託した費用の一部を国が助成する制度です。中小企業なら委託費の最大9割・月額15万円までが支給されます。
重度訪問介護サービス利用者等職場介助助成金とは
この助成金は、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が実施する障害者介助等助成金のひとつです。
重度訪問介護サービスを利用している重度障害者を雇用している事業主が、その従業員の業務遂行に必要な職場での介助を重度訪問介護サービス事業者に委託した場合に、その委託費用の一部が助成されます。
たとえば、「たんの吸引や姿勢調整が必要な社員のために、専門資格を持つヘルパーに身体の介助と仕事のサポートを依頼したい」というケースが典型的な利用場面です。
利用するための前提条件:「雇用施策連携特別事業」の実施市町村であること
この助成金は、雇用する障害者が居住する市町村等において、「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」(以下「雇用施策連携特別事業」)が実施されている場合に限り利用できます。
この特別事業は、重度障害者の就労を支援するために国・市町村・労働局が連携して行う取組です。ご利用にあたっては、まず対象従業員が居住する市町村等に当該事業の実施の有無をお問い合わせください。
支援計画書の作成
助成金を利用するには、事業主・障害者本人・市町村等の3者で支援計画書を作成する必要があります。どのような介助が必要で、どのようにサービス事業者が関わるかを明確にするための重要な書類です。
助成の対象となる業務内容
助成の対象となる「職場介助業務」には、以下のような支援が含まれます:
- 書類・PC操作の補助:書類のページめくり、PC出力操作など
- 代読・代筆:文章の代読や代筆(文書・デザインの創案を除く)、録音図書の作成
- 業務上の移動・外出の付き添い(介助者による自動車の運転を除く)
- 遠隔介助:遠隔地にいる介助者が情報通信機器を介して行う介助
身体介助に加え、業務のサポートを一体的に提供することが特徴です。
助成額・助成率・月額支給限度額
支給額は、「対象費用(委託費)×助成率」または「月額支給限度額」のいずれか低い額となります。
| 企業規模 | 助成率 | 月額支給限度額 |
|---|---|---|
| 中小企業 | 9/10(90%) | 150,000円 |
| 中小企業以外 | 4/5(80%) | 133,000円 |
中小企業の定義
「中小企業」の範囲は、資本金の額・出資の総額または常時雇用する労働者数のいずれかで判定されます:
- 小売業(飲食店含む):資本金5,000万円以下 または 常時雇用50人以下
- サービス業・卸売業:資本金1億円以下 または 常時雇用100人以下
- その他の業種:資本金3億円以下 または 常時雇用300人以下
他の補助金との調整
国・地方公共団体・独立行政法人等から本助成金以外の補助金を受けている場合は、その補助金額を控除した額が支給対象費用となります。
支給期間
支給期間は、雇用施策連携特別事業の利用決定以降、年度ごとに、委託による支援を開始した日から当該年度末(3月末)までとなります。年度をまたぐ場合は毎年度ごとに支給請求を行う形となります。
申請手続きの流れ
- 市町村等に雇用施策連携特別事業の実施を確認:対象従業員の居住地の市町村等に事業実施の有無を確認します。
- 支援計画書の作成:事業主・障害者本人・市町村等の3者で支援計画書を作成します。
- JEED都道府県支部に受給資格認定申請:管轄の都道府県支部に受給資格認定申請書等の書類を提出します。
- サービス事業者との委託契約・支援開始:認定後、重度訪問介護サービス事業者に職場介助業務を委託し、支援を開始します。
- 支給請求:支援終了後または年度ごとに所定の期限内に支給請求書を提出します(2回目以降はe-Gov電子申請も可)。
申請書類の提出先・提出方法
- 提出先:申請事業所の所在地を管轄するJEED都道府県支部 高齢・障害者業務課または高齢・障害者窓口サービス課
- 提出方法:持参・郵送、またはe-Gov電子申請(2回目以降の支給請求書のみ対応)
- 提出部数:様式・添付様式3部(事業主用・都道府県支部用・機構本部用)、その他書類2部
関連助成金:重度訪問介護サービス利用者等通勤援助助成金
本助成金と併せて活用できる関連制度として、「重度訪問介護サービス利用者等通勤援助助成金」があります。こちらは、同じく雇用施策連携特別事業を利用する重度障害者の通勤時の援助をサービス事業者に委託した場合に、その費用が助成されるものです。職場での介助と通勤援助をセットで活用することで、重度障害者の雇用をより安定させることができます。
まとめ:重度障害者の雇用継続に「職場介助の外部委託助成金」を活用しよう
重度訪問介護サービス利用者等職場介助助成金のポイントをまとめると、次のとおりです:
- 重度訪問介護サービスを利用している重度障害者を雇用する事業主が対象
- 前提として、従業員の居住市町村が「雇用施策連携特別事業」を実施している必要あり
- 業務上の介助(書類操作補助・代読代筆・付き添い・遠隔介助等)をサービス事業者に委託した費用を助成
- 中小企業は委託費の9割・月額15万円まで助成
- 申請先はJEED都道府県支部
重度障害のある方が職場で安心して働き続けるためには、専門的な介助の提供が欠かせません。この助成金を活用することで、企業側の介助コスト負担を大幅に軽減しながら、重度障害者の就労継続を支援することができます。
申請要件や手続きの詳細については、お近くのJEED都道府県支部または社会保険労務士にご相談ください。
西宮・阪神間の経営者・人事担当者の方へ
助成金の申請手続き・障害者雇用管理でお困りの際は、西宮市の特定社会保険労務士・武田しのぶ(SR武田社労士事務所)にお気軽にご相談ください。助成金の受給資格確認から申請書類の作成・提出まで、一貫してサポートいたします。

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