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人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)とは?玉掛け・フルハーネスなど安全講習の費用を最大3/4補助・年間最大500万円|西宮の社労士が解説【令和8年度版】


建設業を営む事業主のみなさまは、「安全教育や資格取得の費用が毎年かさんで困っている」という悩みを抱えていないでしょうか。

玉掛け技能講習、フルハーネス型墜落制止用器具の特別教育、足場の組立て等作業主任者講習…建設業では、法律で定められた安全教育が数多くあり、その費用は事業主にとって決して小さな負担ではありません。

そんな建設事業主を支援する制度が「人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)」です。建設労働者に技能実習を受講させた場合、経費の最大3/4(75%)と受講中の賃金の一部が助成されます。1事業所あたり年間500万円を上限に支給されます。

この記事では、西宮市の社会保険労務士が、令和8年度の人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)について、助成内容・対象訓練・申請方法をわかりやすく解説します。

人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)とは

人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)は、建設事業主が雇用する建設労働者に技能実習を受講させた場合に、訓練経費の一部と受講中の賃金の一部を助成する制度です。

技能講習・特別教育・技能検定・登録基幹技能者講習などが対象で、安全に関する法定教育はもちろん、技能向上を目的とした訓練も幅広く対象となります。

項目 内容
対象者 建設事業主に雇用される建設労働者(雇用保険被保険者)
支給上限 1事業所あたり年間500万円
助成の種類 経費助成・賃金助成・賃金向上助成の3種類
所管 厚生労働省(都道府県労働局・ハローワーク)

対象となる事業主の要件

この助成金を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 建設の事業として雇用保険の保険料率が適用されている事業主(建設業の雇用保険適用事業所の事業主)
  • 中小建設事業主であること(資本金3億円以下または従業員300人以下)
  • 建設労働者を雇用し、業務命令で技能実習を受講させること
  • 受講する建設労働者が雇用保険の被保険者であること
  • 雇用管理責任者を選任していること

なお、一人親方(個人事業主として働く建設職人)は対象外です。あくまで雇用関係のある従業員を対象とした助成金です。

助成額の詳細

助成は「経費助成」「賃金助成」「賃金向上助成」の3種類があります。

①経費助成(訓練費用の補助)

技能実習にかかった受講料・テキスト代などの費用を、以下の助成率で補助します。1人あたり10万円が上限です。

雇用保険被保険者数 受講する建設労働者の年齢 助成率
20人以下 全年齢 3/4(75%)
21人以上 35歳未満 7/10(70%)
21人以上 35歳以上 9/20(45%)

例えば、従業員20人以下の小規模建設業者が従業員に1万5,000円の技能講習を受講させた場合、1万1,250円(75%)が助成されます。

②賃金助成(受講中の賃金補填)

技能実習を受講している間、労働者に支払う賃金の一部を補填します。1技能実習につき20日分が上限です。

雇用保険被保険者数 1日あたりの助成額 CCUS登録者の場合
20人以下 9,500円/日 10,450円/日
21人以上 8,550円/日 9,405円/日

CCUS(建設キャリアアップシステム)に登録している労働者の場合は、助成額が上乗せされます。建設キャリアアップシステムへの登録を積極的に活用するとより有利です。

③賃金向上助成(賃金引き上げへの加算)

技能実習の実施前後に建設労働者の賃金を引き上げた場合に、追加で助成が受けられます。

助成の種類 賃金向上助成の内容
経費助成を受ける場合 支給率3/20、1人あたり上限2万円
賃金助成を受ける場合(20人以下) 1日あたり2,000円の上乗せ
賃金助成を受ける場合(21人以上) 1日あたり1,750円の上乗せ

対象となる技能実習の種類

対象となる技能実習は、主に以下の4種類に分類されます。

①技能講習

労働安全衛生法に基づく技能講習が対象です。代表的なものは以下のとおりです。

  • 玉掛け技能講習
  • フォークリフト運転技能講習
  • 足場の組立て等作業主任者技能講習
  • 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習

②特別教育

労働安全衛生法に基づく特別教育も対象です。近年、特に需要が高いのは以下の教育です。

  • フルハーネス型墜落制止用器具特別教育
  • 足場の組立て等特別教育
  • 低圧電気取扱業務特別教育
  • 石綿(アスベスト)取扱い作業従事者特別教育
  • 酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育
  • 粉じん作業特別教育

③技能検定

国家資格である技能検定の受検準備訓練および受検が対象です。建築大工・とびなど建設系の職種が対象となります。

④登録基幹技能者講習

建設キャリアアップシステムのレベル4相当として認定されている登録基幹技能者の資格取得のための講習も対象です。

申請の流れ

助成金を受けるためには、技能実習の実施前に計画届を提出する必要があります。実施後に申請しても受け付けてもらえないため、事前の手続きが不可欠です。

ステップ 内容 タイミング
STEP 1 計画届の提出 実施3か月前〜1週間前まで
STEP 2 技能実習の実施 計画届の内容どおりに実施
STEP 3 支給申請書の提出 実施終了から2か月以内
STEP 4 助成金の支給 審査後に指定口座へ振込

申請窓口は管轄の都道府県労働局です。兵庫県内の建設事業主は「兵庫労働局」に提出します。なお、登録教習機関(指定された機関)で受講する場合は、原則として計画届の提出が不要となる場合があります。

この助成金を活用するメリット

  • 法定教育の費用負担を大幅に軽減できる:フルハーネス特別教育や玉掛け技能講習など、義務づけられた教育の費用を助成金でカバーできます。
  • 技能検定の受検を後押しできる:若手社員の国家資格取得を会社がサポートしやすくなります。
  • 従業員の定着率向上につながる:会社が教育費を負担することで、従業員のモチベーションと帰属意識が高まります。
  • CCUSとの連携でさらにお得:建設キャリアアップシステムに登録している労働者の賃金助成額が上乗せされます。

令和8年度の改正ポイント

令和8年(2026年)4月8日付けで支給要領が改正されました。改正後の支給額・助成率は本記事に記載したとおりです。改正前(令和8年4月7日以前)に開始した技能実習については、原則として改正前の取り扱いが適用されます。

毎年度、支給要領が見直されることがあるため、最新情報は厚生労働省のホームページまたは管轄の労働局にてご確認ください。

西宮の社労士からのアドバイス

建設業では、毎年必ずといっていいほど安全教育の機会があります。フルハーネスの特別教育、玉掛け講習、足場の組立て等作業主任者の更新…これらはすべて、人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)の対象になる可能性があります。

受給できる金額は決して少なくありません。従業員20人以下の事業主であれば、受講料の75%に加えて1日9,500円の賃金助成も受けられます。年間に複数回の教育を実施する事業主なら、合計で数十万円規模の助成を受けることも十分に可能です。

申請には事前の計画届が必要です。講習の直前になって「申請できたのに…」とならないよう、年度初めに年間の教育計画を立てておくことをおすすめします。

申請手続きや助成金の活用方法についてご不明な点がございましたら、お気軽に西宮市の社会保険労務士事務所・SR武田事務所にご相談ください。


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