育児休業を取得しやすい職場環境を整備したいが、業務の引継ぎや代替体制の確保が難しい——そんな中小企業の人事担当者を支援するのが、両立支援等助成金(育児休業等支援コース)です。
この助成金を活用すれば、育休取得から職場復帰までの支援体制を整えつつ、最大60万円(中小企業の場合)の助成金を受け取ることができます。2025年改正育児介護休業法の施行により「育休が取れる職場づくり」への関心が高まっている今、積極的に活用したい制度です。
本記事では、両立支援等助成金(育児休業等支援コース)の対象・助成額・申請手順について、社会保険労務士がわかりやすく解説します。
両立支援等助成金(育児休業等支援コース)とは
両立支援等助成金(育児休業等支援コース)は、育休復帰支援プランを作成し、労働者の育休取得・職場復帰を支援した事業主に対して助成金を支給する制度です。厚生労働省が実施しており、ハローワーク・都道府県労働局を通じて申請できます。
2つの助成メニュー
① 育休取得時(育休復帰支援プランを策定した場合)
対象労働者に対して「育休復帰支援プラン」を作成し、円滑な育休取得のための措置(業務整理・引継ぎマニュアル作成など)を講じた上で、対象者が連続3ヶ月以上の育児休業を取得した場合に支給されます。
| 企業規模 | 助成額 |
|---|---|
| 中小企業 | 30万円 |
| 大企業 | 15万円 |
② 職場復帰時
育休取得した対象労働者が原職等(元の職場または同等の職場)に職場復帰し、その後継続して6ヶ月以上雇用された場合に支給されます。
| 企業規模 | 助成額 |
|---|---|
| 中小企業 | 30万円 |
| 大企業 | 15万円 |
中小企業であれば、①育休取得時30万円+②職場復帰時30万円で、1人あたり最大60万円の助成を受けられます。
代替要員確保時の加算
育児休業中の業務をカバーするために派遣労働者等の代替要員を確保した場合、追加で加算を受けられます。
| 企業規模 | 加算額 |
|---|---|
| 中小企業 | 20万円 |
| 大企業 | 10万円 |
代替要員加算も含めると、中小企業では1人あたり最大80万円の助成が可能です。
対象となる労働者の要件
- 雇用保険の被保険者であること
- 育児休業開始日において在籍期間が1年以上であること
- 原則として、育休開始予定日の前日までに育休復帰支援プランを作成していること
- 連続3ヶ月以上(※産前産後休業を含む場合は通算で算定可)の育休を取得すること
申請の流れ
- 育休取得の前に「育休復帰支援プラン」を作成(対象者の業務内容・引継ぎ計画・復帰後の措置を記載)
- 対象者が育児休業を取得(連続3ヶ月以上)
- 育休取得直後に①の支給申請(育休開始後1ヶ月以内に支給申請書類を提出)
- 対象者が職場復帰(原職等への復帰)
- 復帰から6ヶ月後に②の支給申請(職場復帰から6ヶ月経過後2ヶ月以内に申請)
申請時の注意点
育休復帰支援プランを事前に作成することが必須
育休取得の前日までに育休復帰支援プランを作成・交付していることが要件です。後から作成した場合は対象外となります。
支給申請期限に注意
①育休取得時の申請は育休開始から2ヶ月以内、②職場復帰時の申請は復帰から6ヶ月経過後2ヶ月以内と、期限が定められています。
対象者は事業主あたり1年度5人まで
同一の事業年度内に助成を受けられる対象者数には上限があります(令和8年度の詳細は管轄ハローワーク・都道府県労働局にご確認ください)。
こんな企業に特におすすめ
- 初めて育休取得者が出た中小企業(業務引継ぎ体制を整備するきっかけに)
- 育休後の復帰率向上・定着率改善に取り組みたい企業
- 2025年改正育介法の対応として育休制度を整備したい企業
- 代替要員の確保コストを助成金で一部回収したい企業
まとめ
両立支援等助成金(育児休業等支援コース)は、育休取得・職場復帰の両方を支援することで中小企業が最大60万円(代替要員加算込みで最大80万円)を受け取れる実用的な制度です。育休復帰支援プランの事前作成が必須ですので、対象者の育休開始前に準備を整えることが重要です。
- 育休取得時:中小企業30万円、大企業15万円
- 職場復帰時:中小企業30万円、大企業15万円
- 代替要員確保加算:中小企業20万円追加
- 育休前に「育休復帰支援プラン」の作成が必須
「育休復帰支援プランの書き方が分からない」「申請手続きを一緒に進めてほしい」という企業様は、ぜひたけだリフテック社労士事務所にお問い合わせください。

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