令和8年度(2026年度)の地域別最低賃金の答申が出そろいました。全都道府県で54〜65円の引き上げが行われ、兵庫県は56円引き上げられ時間額1,172円(令和8年10月1日発効予定)となります。全国加重平均は1,177円と、過去最高水準の引き上げとなりました。
この改定は、パートタイマーやアルバイトを雇用する中小企業の経営者・人事担当者に直接影響します。10月の施行前に、自社の賃金体系が最低賃金を下回っていないか確認し、必要であれば就業規則・賃金規程を改訂する必要があります。
令和8年度 最低賃金改定のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 全国加重平均 | 1,177円(前年1,121円から+56円) |
| 引き上げ幅(全都道府県) | 54〜65円 |
| 最高額(東京都) | 1,280円 |
| 最低額 | 1,085円 |
| 発効予定日 | 令和8年10月1日〜12月2日(都道府県ごとに異なる) |
兵庫県・近畿地方の最低賃金(令和8年度)
| 都道府県 | 現行(令和7年度) | 改定後(令和8年度) | 引き上げ幅 | 発効予定日 |
|---|---|---|---|---|
| 兵庫県 | 1,116円 | 1,172円 | +56円 | 令和8年10月1日 |
| 大阪府 | 1,177円 | 1,231円 | +54円 | 令和8年10月1日 |
| 京都府 | 1,058円 | 約1,114円 | +56円 | 令和8年10月頃 |
| 東京都 | 1,224円 | 1,280円 | +56円 | 令和8年10月1日 |
※大阪・京都・東京の金額は答申・報道ベースの参考値です。最終確定値は各都道府県労働局でご確認ください。
最低賃金とは?基本的なルールを再確認
最低賃金とは、使用者が労働者に支払わなければならない賃金の下限額を定めたものです。最低賃金法により、これを下回る賃金を支払うことは違法となり、支払った場合でも最低賃金額との差額を支払う義務が生じます。
- 対象:パートタイム・アルバイトを含む全ての労働者
- 適用除外:試用期間中・障害者・軽易業務従事者等は都道府県労働局への許可申請で除外可能
- 判断の基準:時間給のほか、日給・月給は時間換算して比較
最低賃金の比較対象となる賃金・ならない賃金
| 最低賃金と比べる賃金(対象) | 最低賃金と比べない賃金(対象外) |
|---|---|
| 基本給 | 時間外・深夜・休日割増賃金 |
| 職務手当・役職手当など月ごとに支払われる手当 | 精皆勤手当・通勤手当・家族手当 |
| 固定残業代(所定内部分) | 臨時に支払われる賃金・賞与 |
最低賃金違反のリスク
最低賃金を下回る賃金しか支払っていない場合、50万円以下の罰金(最低賃金法第40条)が科せられる可能性があります。また、労働基準監督署の調査・是正勧告の対象となり、未払い賃金の遡及支払いが命じられるケースもあります。
経営者が今すぐすべき5つの対応
- 全スタッフの時給換算をチェック
パート・アルバイト・月給制社員問わず、全員の賃金を時間換算して1,172円(兵庫県)以上かどうかを確認します。 - 10月1日施行前に賃金改定の準備
改定が必要な場合は、遅くとも9月中に新賃金額を確定し、雇用契約書・労働条件通知書を更新します。 - 就業規則・賃金規程の改訂
最低賃金を下回る規定がある場合、その部分は自動的に最低賃金額が適用されますが、規程自体も改訂しておく必要があります。 - 給与計算システムの設定変更
時給・日給・月給の計算設定を新しい最低賃金額に合わせて更新します。 - 業務改善助成金の活用を検討
最低賃金引き上げにあわせて設備投資を行う場合、業務改善助成金(最大150万円)が活用できます。生産性向上と賃上げをセットで行うことで、助成金を受け取りながらコスト増加を抑えることができます。
業務改善助成金との組み合わせで賃上げコストを軽減
令和8年度の業務改善助成金は、9月1日から受付開始されており、最低賃金引き上げにあわせた設備投資に活用できます。30円以上賃上げを行い生産性向上のための設備投資を実施すると、投資費用の一部(最大9/10)が助成されます(最大150万円)。
最低賃金が上がることで人件費負担が増えますが、業務改善助成金を利用した設備導入で生産性を高めれば、実質的なコスト増加を抑えながら賃上げを実現できます。
まとめ
令和8年10月1日から兵庫県の最低賃金は1,172円になります。パートタイマーやアルバイトを雇用する事業者は、今すぐ自社の賃金体系を確認し、必要に応じて9月中に対応を完了させてください。
「自社の対応が正しいか確認したい」「就業規則の改訂を依頼したい」という方は、お気軽に当事務所(西宮市の社労士事務所 竹田社会保険労務士事務所)にご相談ください。
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参考資料
・厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました」
・兵庫労働局「兵庫県最低賃金 時間額56円引上げを答申」

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