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【令和8年度新設】人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の「中高年齢者実習型訓練」とは?45歳以上の従業員のOJT+OFF-JT訓練費用を最大75%助成します|西宮の社労士が解説


「45歳を過ぎた社員に新しいスキルを身につけさせたいが、どこから手をつけたらいいかわからない」「ベテラン社員のデジタルスキル不足が課題だが、外部研修に出すお金が…」という経営者・人事担当者の方はいませんか?

令和8年(2026年)4月8日から、人材開発支援助成金(人材育成支援コース)に「中高年齢者実習型訓練」が新設されました。これは45歳以上の雇用保険被保険者を対象に、OJT(職場内訓練)とOFF-JT(外部・社内研修)を組み合わせた体系的な訓練を実施した場合に、訓練費用の最大75%と訓練中の賃金・OJT実施費用を助成する制度です。

このページでは、西宮市の社会保険労務士事務所「SR武田事務所」が、新設の中高年齢者実習型訓練の概要・支給額・申請要件・申請の流れを経営者・人事担当者の方にわかりやすく解説します。

中高年齢者実習型訓練とは?

中高年齢者実習型訓練は、人材開発支援助成金(人材育成支援コース)に令和8年4月8日から新たに追加された訓練メニューです。

既存の「有期実習型訓練」が主にパートや契約社員などの有期契約労働者の正社員転換を目的とするのに対して、中高年齢者実習型訓練は在職中の45歳以上の雇用保険被保険者(正規・非正規を問わない)が対象です。新たなスキル習得や職場でのキャリアアップを目的としており、正社員転換ではなく「在職者のキャリアアップ支援」に特化した制度です。

人手不足・高齢化が進む中、政府は「ミドル・シニア層のリスキリング(学び直し)」を重要政策と位置づけており、この訓練はその後押し制度の一つといえます。

既存の訓練との違いを整理

人材育成支援コースには複数の訓練メニューがあります。中高年齢者実習型訓練の立ち位置を確認しましょう。

訓練の種類主な対象者目的
人材育成訓練(OFF-JT)正規・非正規問わず業務関連知識・技能の習得
有期実習型訓練(OJT+OFF-JT)有期契約労働者正社員転換を目指した訓練
中高年齢者実習型訓練(OJT+OFF-JT)45歳以上の雇用保険被保険者在職者のキャリアアップ・スキル習得

対象となる事業主・労働者

対象事業主(申請者)の要件

  1. 雇用保険の適用事業主であること
  2. 「職業能力開発推進者」を選任していること(事業主本人でも可)
  3. 「事業内職業能力開発計画」を策定していること
  4. 過去に不正受給がないこと
  5. 一定期間内に事業主都合の解雇等がないこと

対象労働者の要件

  • 訓練開始日時点で45歳以上の雇用保険被保険者(正規・非正規を問わない)
  • 訓練開始前にキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティング(ジョブ・カードを活用)を受け、本訓練への参加が必要と認められていること

ポイント:正社員だけでなく、パートタイマーや契約社員などの有期契約労働者で45歳以上の方も対象になります。また、訓練開始前のキャリアコンサルティングが必須要件です。事前にジョブ・カードを作成し、キャリアコンサルタントと面談を行う必要があります。

支給額はいくら?

中高年齢者実習型訓練では「経費助成」「賃金助成」「OJT実施助成」の3種類の助成が受けられます。

① 経費助成率

企業規模通常賃金要件等を満たす場合(加算)
中小企業60%75%(+15%)
大企業45%60%(+15%)

※「賃金要件等」とは、訓練終了後6か月間の賃金が5%以上上昇した場合などに適用される加算です。

② 賃金助成(訓練中の賃金の一部)

企業規模1人1時間あたり賃金要件等を満たす場合(加算)
中小企業800円1,000円(+200円)
大企業400円500円(+100円)

③ OJT実施助成(OJTを行った事業主への助成)

企業規模1人1コースあたり賃金要件等を満たす場合(加算)
中小企業10万円13万円(+3万円)
大企業9万円12万円(+3万円)

計算例(中小企業・通常の場合):訓練費用50万円の場合、経費助成は50万円×60%=30万円。加えて訓練中の賃金助成(800円×訓練時間数)とOJT実施助成(10万円/人)が上乗せされます。

訓練の要件(OFF-JT・OJT)

中高年齢者実習型訓練には、以下の訓練要件があります。

要件項目内容
訓練期間2か月以上
総訓練時間6か月あたり425時間以上に換算(2か月の場合は約142時間以上)
OFF-JTの形式通学制または同時双方向型通信訓練(オンライン)
OFF-JTの時間1コースあたり10時間以上
OJTの実施方法原則として対面で実施
OJT・OFF-JTの割合OJTは総訓練時間の1割以上9割以内
訓練終了後ジョブ・カード(様式3-3-1-1)による職業能力の評価を実施すること

OFF-JTとOJTの組み合わせ例(2か月・142時間の場合):OFF-JT 30時間(外部研修)+ OJT 112時間(職場内訓練)のように組み合わせます。OJTが総訓練時間の1割以上9割以内に収まれば問題ありません。

事前のキャリアコンサルティングとは?

中高年齢者実習型訓練の必須要件として、訓練開始前にキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティング(面談)を受ける必要があります。

この面談では、ジョブ・カードを活用して対象労働者の職業経験・スキル・キャリアの方向性を整理し、「本訓練への参加が必要である」との確認を受けます。

  • ジョブ・カードとは:厚生労働省が普及を進めるキャリアプランニングのツールで、職業経験の棚卸しや職業能力の評価に活用します
  • キャリアコンサルタントは国家資格保有者(または厚生労働大臣が認定する機関の相談員)が対応します
  • ハローワーク・都道府県労働局やジョブ・カードセンター等で無料相談が受けられる場合があります

申請の流れ

  1. 職業能力開発推進者の選任・事業内職業能力開発計画の策定
    まず、社内で訓練推進の担当者(職業能力開発推進者)を選任し、「事業内職業能力開発計画」を作成します。
  2. 対象労働者の決定・キャリアコンサルティングの実施
    45歳以上の対象労働者を選定し、訓練開始前にジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを受けます。
  3. 訓練実施計画届の提出(訓練開始の1か月前まで)
    訓練内容・期間・OFF-JT・OJTの計画を記載した「訓練実施計画届」を管轄の都道府県労働局(または電子申請)に提出します。この届出を出す前に訓練を始めてしまうと助成金が受けられませんので注意が必要です。
  4. 訓練の実施(2か月以上・OJT+OFF-JT)
    計画に基づいて訓練を実施します。訓練中は受講状況・費用の証憑(領収書等)を適切に管理してください。
  5. ジョブ・カードによる職業能力評価の実施
    訓練終了後、ジョブ・カード(様式3-3-1-1)を用いて職業能力の評価を行います。
  6. 支給申請(訓練終了翌日から2か月以内)
    支給申請書に必要書類(訓練受講証明書、領収書、ジョブ・カード等)を添付して都道府県労働局に提出します。
手続きタイミング提出先
訓練実施計画届訓練開始の1か月前まで都道府県労働局(または電子申請)
支給申請訓練終了翌日から2か月以内都道府県労働局(または電子申請)

よくある質問

Q. 45歳以上の社員が複数いる場合、全員分申請できますか?

A. はい、1人ずつ申請できます。ただし、1事業所・1年度あたりの経費助成の上限額(1,000万円)の範囲内になります。複数人を同時に訓練することも可能です。

Q. どんな内容の訓練でも対象になりますか?

A. 業務に関連する訓練であれば幅広く対象になります。例えば、DX・ITスキル向上研修、業務改善のためのプロジェクトマネジメント訓練、品質管理技術の習得など、業務に直結する訓練が対象です。ただし、趣味・教養・資格取得のみを目的とした訓練は対象外です。

Q. 有期実習型訓練と中高年齢者実習型訓練、どちらを使うか迷っています。

A. 対象労働者が有期契約(パート・契約社員)で正社員転換を目指している場合は「有期実習型訓練」45歳以上の在職者(正社員・非正規を問わず)のスキルアップ・キャリアアップが目的であれば「中高年齢者実習型訓練」が適しています。どちらの要件も満たす場合は、支給額やキャリアコンサルティングの有無等を考慮して選択します。

Q. キャリアコンサルタントはどこで探せばよいですか?

A. ハローワークや都道府県労働局内のジョブ・カードコーナーで相談できます。また、厚生労働省が認定するキャリアコンサルタント等に有料で依頼することも可能です。費用が発生する場合は、その相談費用が経費助成の対象になる場合があります。詳しくは管轄の都道府県労働局にご確認ください。

まとめ

  • 令和8年4月8日新設:人材育成支援コースに「中高年齢者実習型訓練」が追加
  • ✅ 対象は45歳以上の雇用保険被保険者(正規・非正規不問)
  • ✅ OJT+OFF-JTを組み合わせた2か月以上の体系的な訓練が対象
  • ✅ 訓練費用を中小企業は60%(加算で最大75%)助成
  • ✅ 訓練中の賃金(中小企業800円/時)とOJT実施助成(中小企業10万円/人)も支給
  • ✅ 訓練前のキャリアコンサルティング(ジョブ・カード活用)が必須
  • 訓練開始1か月前までに計画届の提出が必要(事前申請が大原則)

中高年齢者実習型訓練は、長年の経験を持つ45歳以上の社員がデジタル化や業務変革に対応した新たなスキルを体系的に身につけるための強力な支援制度です。特に人手不足が深刻な中小企業にとって、経費助成・賃金助成・OJT助成の三重の支援は大変ありがたい制度といえます。


「自社の45歳以上の社員に使えるか確認したい」「計画届の書き方がわからない」「キャリアコンサルタントをどうやって探せばいい?」など、申請に関するご不明点は、西宮市の社会保険労務士事務所・SR武田事務所にお気軽にご相談ください。助成金の要件確認から申請書類の作成・提出サポートまで、丁寧にご支援いたします。

参考:厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)」


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