「建設業で若者や女性を採用したいが、なかなか集まらない」「採用できても定着しない」とお困りの建設事業主の方はいませんか?
人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野))は、建設業が若年者・女性の採用・定着を促進するための取り組みを支援する助成金です。令和8年度からは定着助成が新設され、最大42万円(1人あたり)の上乗せ支給が追加されました。
この記事では、西宮市の社会保険労務士が制度の概要・支給額・要件・申請方法をわかりやすく解説します。
この助成金でできること(まとめ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成金の名前 | 人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)) |
| 所管 | 厚生労働省・都道府県労働局 |
| 対象 | 建設事業主・建設事業主団体・職業訓練法人 |
| 支援内容 | 若年者・女性の採用・定着に向けた活動費用の一部を助成 |
| 助成率(中小) | 対象経費の3/5(賃金向上要件あり:3/4) |
| 支給上限 | 200万円/年度(他の助成との合計) |
| 令和8年度の追加 | 定着助成が新設。新規入職者1人あたり最大42万円 |
助成金の目的・背景
建設業は慢性的な人手不足が続いており、特に若年者(35歳未満)や女性の入職者が少ないという課題があります。高齢化が進む建設現場では、次世代を担う人材の確保が急務となっています。
この助成金は、建設事業主が若年者・女性を惹きつける魅力的な職場づくりに取り組む際の費用(現場見学会、体験学習、広報活動など)を国が補助するものです。
対象となる事業主
以下のいずれかに該当する事業主が対象です。
- 建設事業主(雇用保険の適用事業所)
- 中小建設事業主
- 建設事業主団体(全国団体・都道府県団体・地域団体)
- 職業訓練法人
- 一般社団法人・一般財団法人(要件を満たすもの)
※注意:一人親方や同居の親族のみを使用して建設事業を行っている方は対象外です。
支給内容(助成の種類と金額)
① 事業主経費等助成(メインの助成)
若年者・女性の入職・定着促進に向けた各種活動の費用が助成されます。
| 事業主の区分 | 通常の助成率 | 賃金向上要件あり |
|---|---|---|
| 中小建設事業主 | 対象経費の3/5 | 対象経費の3/4 |
| 中小建設事業主以外 | 対象経費の9/20 | 対象経費の3/5 |
支給上限:1事業年度あたり200万円(賃金向上助成・定着助成との合計)
対象となる主な活動経費の例:
- 現場見学会・体験学習の開催費用
- 入職内定者向けの教育訓練費用
- 雇用管理改善に関する研修・コンサルタント費用
- 広報パンフレット・動画の作成費用
- リクルート活動(会社説明会、高校・専門学校への訪問など)の費用
- 職場環境の改善に取り組む費用
② 定着助成(令和8年度から新設)
令和8年度から新設された助成です。新規入職者が6か月以上定着した場合、追加で支給されます。
- 支給額:新規入職者1人あたり最大42万円
- 対象:6か月以上定着した若年者・女性の新規入職者
- ポイント:採用するだけでなく「定着」に取り組む企業を評価する仕組み
③ 事業主団体経費助成
建設業団体が業界全体の魅力向上に取り組む場合の助成です。
| 団体の区分 | 助成率 | 支給上限 |
|---|---|---|
| 全国団体 | 中小:2/3 / 非中小:1/2 | 3,000万円/年度 |
| 都道府県団体 | 中小:2/3 / 非中小:1/2 | 2,000万円/年度 |
| 地域団体 | 中小:2/3 / 非中小:1/2 | 1,000万円/年度 |
④ 推進活動経費助成
建設事業主団体が推進活動を行う場合の経費助成です。助成率は対象経費の2/3となります。
主な受給要件
- 雇用保険の適用事業所であること
- 事業開始前に「雇用管理改善計画」を都道府県労働局に提出し、認定を受けること
- 過去3年間に重大な労働関係法令違反がないこと
- 認定を受けた計画に基づき、実際に若年者・女性の採用・定着に向けた活動を実施すること
- 助成金の不正受給履歴がないこと
申請の流れ
以下の手順で進めます。計画届は必ず事業開始前に提出してください。
- 雇用管理改善計画の作成:若年者・女性の入職・定着促進に向けた取り組み内容を計画にまとめる
- 計画届の提出・認定:都道府県労働局に計画届を提出し、認定を受ける(事業開始前に必須)
- 計画に基づく活動の実施:現場見学会の開催、広報活動、研修実施など
- 支給申請書の提出:事業終了後、所定の書類を揃えて申請
- 助成金の受給:審査を経て支給決定・振込
重要:計画届を提出する前に事業を始めてしまうと、助成金が受け取れなくなります。必ず事前申請を行ってください。
令和8年度の変更点
令和8年度(2026年度)からの主な変更点は以下の通りです。
- 定着助成が新設:新規入職者が6か月以上定着した場合、1人あたり最大42万円を追加支給
- 採用後の定着を重視した設計に改訂され、採用から定着まで一貫した支援が可能に
建設業の人手不足を単なる「採用問題」ではなく、「定着・育成問題」として捉え、より長期的な視点でサポートする制度になりました。
この助成金が活用できる具体的なシーン
- 地元の高校・工業高校に建設現場見学会を実施したい
- 女性が働きやすいよう、更衣室やトイレの環境を改善したい
- 若者向けの採用パンフレットや会社紹介動画を作りたい
- 新入社員向けの研修プログラムを充実させたい
- 就職フェアやインターンシップに参加したい
こういった取り組みを計画している場合は、ぜひこの助成金の活用を検討してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 一人親方でも申請できますか?
A. 申請できません。一人親方や同居の親族のみで建設業を営んでいる場合は対象外です。雇用保険の適用事業所であることが要件となります。
Q2. 活動を始めた後でも申請できますか?
A. できません。計画届は事業開始前に提出・認定を受ける必要があります。活動を始める前に必ず都道府県労働局に相談してください。
Q3. 「賃金向上要件」とは何ですか?
A. 新規入職した若年者・女性の賃金が、入職時から1年後に一定以上上昇していることを証明できる場合、より高い助成率(中小:3/4)が適用されます。採用後の処遇改善にも取り組む企業を優遇する仕組みです。
Q4. 定着助成の「6か月以上定着」はどのように確認しますか?
A. 雇用保険の被保険者記録などにより確認されます。6か月間継続して雇用された実績が必要です。
Q5. 建設業以外でも利用できますか?
A. このコースは建設業専用です。建設業以外の業種は対象外となります。建設業以外で若年者・女性の採用支援を求める場合は、他の人材確保等支援助成金のコースをご確認ください。
まとめ:建設業の人材採用に国の支援を活用しよう
人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野))は、建設業の人材不足解消に向けた取り組みを強力に後押しする助成金です。令和8年度からは定着助成が新設され、採用から定着まで一貫した支援が受けられるようになりました。
ポイントをまとめると:
- 中小建設事業主は対象経費の3/5〜3/4が助成される
- 年度あたり最大200万円(賃金向上助成・定着助成との合計)
- 令和8年度から定着助成が新設(1人あたり最大42万円)
- 現場見学会・広報活動・研修費用など幅広い経費が対象
- 計画届は事業開始前に都道府県労働局に提出が必要
申請手続きや計画届の作成が複雑でわからない場合は、お気軽に当事務所にご相談ください。社労士が最適なサポートをご提供します。
SR武田社会保険労務士事務所(西宮市)
お問い合わせはこちら:https://srtakeda.com/contact/

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