毎年6〜7月は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の手続きで最も重要な時期のひとつです。日本年金機構は2026年5月21日、事業主に向けて令和8年度の算定基礎届を7月10日(金)までに提出するよう案内しました。
この記事では、「算定基礎届ってそもそも何?」「なぜ必要なの?」「いつまでに何を提出すればいいの?」といった疑問に、社会保険労務士がわかりやすくお答えします。
算定基礎届とは?なぜ必要なの?
社会保険に加入している従業員の保険料は、「標準報酬月額」という金額をもとに計算されています。標準報酬月額とは、実際の給与をいくつかの等級に当てはめた「ざっくりとした給与額」のことです。
ところが、残業代や手当の変動などにより、実際の給与と標準報酬月額がずれてくることがあります。このずれを年に1回リセットして正しい金額に直すために提出するのが「算定基礎届」です。
算定基礎届をもとに決定される標準報酬月額は、その年の9月〜翌年8月の健康保険料・厚生年金保険料の計算に使われます。つまり、1年間の保険料が変わります。
提出期限と様式の送付時期
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出期限 | 2026年7月10日(金)まで |
| 対象月 | 2026年4月・5月・6月に支払った給与 |
| 様式の送付 | 6月中旬より、日本年金機構から各事業所へ順次送付 |
| 提出方法 | 電子申請(推奨)または郵送・窓口 |
誰を対象に提出するの?
原則として、4月・5月・6月の3か月間、給与が支払われたすべての社会保険被保険者(従業員)が対象です。
ただし、以下の場合は提出が不要または別の扱いになります。
- 4〜6月の間に入退社した従業員(別途「資格取得届」「資格喪失届」で処理)
- 8月または9月に随時改定(月額変更届)を予定している従業員→ 算定基礎届の提出を省略できます
電子申請が推奨されています
日本年金機構は、算定基礎届の提出について電子申請の利用を強く推奨しています。電子申請には次のようなメリットがあります。
- 郵送の手間・コストが不要
- 提出状況をオンラインで確認できる
- 記入漏れや誤りのチェックができる
- 手続きが簡素化・迅速化される
電子申請は、日本年金機構ホームページの「事業所向けオンラインサービス」から利用できます。詳しい操作方法は、機構が提供する「算定基礎届事務説明【動画】」や「ガイドブック」を参照してください。
2か所以上に勤務している従業員がいる場合
従業員が2か所以上の事業所に勤務している(二以上事業所勤務者)場合、算定基礎届は少し異なる取り扱いになります。
- 算定基礎届は、選択事業所を管轄する年金事務所・事務センターから各事業所へ送付されます
- 必要事項を記載したうえで、必ず送付元の事務センターへ返送してください
- 他の事業所の管轄に返送してしまうと処理が遅れる場合があるので注意が必要です
よくある間違いに注意!
- 役員報酬が定期同額であっても、被保険者であれば提出が必要です
- 産前産後・育児休業中の従業員も、対象になる場合があります(免除中でも届出は必要)
- 記載する給与は「支払基礎日数17日以上の月」が原則です。17日未満の月は除いて計算します
まとめ:7月10日までに忘れずに提出を!
算定基礎届は毎年必ず行う重要な手続きです。提出が遅れると保険料の計算に支障が出るほか、場合によってはペナルティが生じることもあります。
6月中旬に日本年金機構から様式が届いたら、早めに対応することをおすすめします。電子申請を利用すれば、手続きがスムーズに行えます。
「自社の算定基礎届の書き方がわからない」「手続きを代行してほしい」という方は、西宮市の社会保険労務士事務所・田武事務所にお気軽にご相談ください。

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