助成金とITに強い社労士!

テックの力で業績・働き方をリフトします。兵庫(西宮市)を中心に、大阪・京都など関西エリアの社労士をお探しなら、まずはお気軽にお電話ください!


働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)とは?建設業・運送業・病院等が最大250万円を受け取れる制度を社労士が解説【2026年度版】


「うちは建設業(または運送業、病院)だけど、2024年4月から残業の上限規制が適用されて、正直まだ対応しきれていない……」「時間外労働を減らしたいが、設備投資や制度整備にどれだけコストがかかるか不安だ」——そんなお悩みをお持ちの事業主の方にぜひ知っていただきたいのが、働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)です。

この助成金は、時間外労働の上限規制への対応が特に求められる特定業種の中小企業が、労働時間削減・週休2日制導入・勤務間インターバル確保などに取り組む際の費用を、最大4/5まで補助する制度です。成果目標の達成状況に応じて最大250万円が支給されます。

この記事のポイント

  • 対象業種:建設業・運送業等・病院等(診療所・介護施設含む)・情報通信業・宿泊業・砂糖製造業(鹿児島・沖縄)
  • 最大支給額:成果目標ごとに異なり、時間外・休日労働上限設定で最大250万円
  • 助成率:対象経費の3/4(30人以下の中小企業は4/5)
  • 申請期限:令和8年11月30日(月)午後5時まで
  • 申請先:各都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)

働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)とは?

働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)は、時間外労働の上限規制への対応が特に求められる特定業種の中小企業に対し、労働時間短縮・週休2日制推進・勤務間インターバル導入などの取り組みにかかる費用の一部を助成する制度です。

2019年4月に施行された働き方改革関連法では、時間外労働(残業)に罰則付きの上限規制が設けられました。しかし、建設業・運送業・医師については業務の特殊性から猶予期間が設けられ、2024年(令和6年)4月1日からようやく同規制が適用されました。いわゆる「2024年問題」として話題になったのが、まさにこの猶予業種の残業規制対応です。

業種別課題対応コースは、こうした背景をふまえ、特定業種が労働環境を抜本的に改善する際のコストを強力にサポートするための助成金です。令和8年度(2026年度)は申請受付を令和8年4月13日から開始しており、令和8年11月30日まで申請が可能です。

対象となる業種

業種別課題対応コースの対象は、以下の6業種です。

業種 対象の詳細
建設業 工作物建設事業(元請・下請問わず)
運送業等 自動車運転業務従事労働者を雇用する事業
病院等 医師が勤務する病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院
砂糖製造業 鹿児島県または沖縄県での製造事業(業界団体会員が条件)
情報通信業 日本標準産業分類「G 情報通信業」に該当する事業
宿泊業 日本標準産業分類「75 宿泊業」に該当する事業

事業主は上記いずれかの業種を主たる事業としていることが必要です。また、労災保険の適用事業主であり、中小企業基準(業種により資本金・従業員数の要件が異なる)を満たすことが求められます。

成果目標の種類と支給上限額

この助成金では、事業主が複数の「成果目標」の中から1つ以上を選択し、その達成状況に応じて助成金が支給されます。成果目標ごとの上限額は以下のとおりです。

成果目標 支給上限額 対象業種
①時間外・休日労働の上限設定(36協定で月60時間以下 または 月60時間超〜80時間以下に設定) 最大250万円 全業種
②所定外労働時間の削減(労働者1人あたり月5時間以上削減) 50〜100万円 全業種
③年次有給休暇の計画的付与導入 25万円 全業種
④時間単位年休・特別休暇の導入 25万円 全業種
⑤勤務間インターバルの導入(運送・病院等は10時間以上、その他は9時間以上) 120〜170万円 全業種
⑥週休2日制の推進(4週5日以上の休日確保) 25〜100万円 建設業のみ
⑦医師の働き方改革推進(労務管理責任者設置・労働時間管理体制整備等) 50万円 病院等のみ

成果目標は複数選択が可能です。また、賃金引上げ加算割増賃金率の引上げ加算を行った場合はさらに加算されます。複数の目標を組み合わせることで、より多くの助成を受けることができます。

対象となる取り組み(改善事業)の種類

助成を受けるためには、成果目標の達成に向けた具体的な改善事業(取り組み)を実施する必要があります。以下の取り組みが助成対象となります(1つ以上の実施が必須)。

  • 労務管理担当者に対する研修の実施
  • 労働者に対する研修・周知啓発
  • 外部専門家(社会保険労務士・中小企業診断士等)によるコンサルティング
  • 就業規則・労使協定等の整備
  • 人材確保に向けた取り組み
  • 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  • 労務管理用機器の導入・更新
  • デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新(運送業向け)
  • 労働能率の増進に資する設備・機器の導入・更新

業種別の設備・機器の例

業種 対象設備・機器の例
運送業 デジタルタコグラフ(デジタコ)、配送管理システム、荷役作業省力化機器
建設業 測量杭打ち機、積算システム、ICT建機、施工管理アプリ
病院等 内視鏡自動洗浄消毒機、医療記録電子化システム、遠隔診療システム
情報通信業・宿泊業 業務効率化ソフトウェア、労務管理システム等

なお、乗用自動車・パソコン・タブレット・スマートフォンは原則として対象外となりますのでご注意ください。

支給額・助成率の詳細

支給額は、以下のいずれか低い方の額が適用されます。

  • (1)成果目標ごとの助成上限額と加算額の合計額
  • (2)対象経費の合計額 × 補助率(3/4 または 4/5

30人以下特例(補助率4/5)

以下の条件をすべて満たす場合は、補助率が4/5(80%)に引き上げられます。

  • 常時使用する労働者数が30人以下であること
  • 労務管理用ソフトウェア・機器・デジタコのいずれかを導入していること
  • 当該設備の所要額が30万円を超えること

つまり、小規模事業者ほど手厚い補助を受けられる仕組みになっています。

支給額のイメージ(例:建設業・従業員25人)

取り組み内容 かかった費用 補助率 支給額
施工管理アプリの導入(労働時間短縮目的) 150万円 4/5 120万円
社労士によるコンサルティング・就業規則整備 30万円 4/5 24万円
合計(成果目標①達成の場合) 180万円 144万円(上限250万円の範囲内)

対象事業主の主な要件

この助成金を受給するには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 労災保険の適用事業主であること
  • 中小企業基準を満たすこと(業種により資本金・従業員数の要件が異なる)
  • 上記6業種のいずれかを主たる事業としていること
  • 年休管理簿を作成していること(常時10人以上の事業場では就業規則への年次有給休暇の時季指定規定の作成・届出が必要)
  • 労働時間等設定改善法に基づく措置を事業実施計画に盛り込むこと

申請手続きの流れ

申請から助成金受給までの大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 交付申請書の提出(令和8年11月30日までに都道府県労働局へ)
  2. 交付決定(申請後、原則1か月以内に通知)
  3. 改善事業の実施(交付決定日以降〜令和9年1月31日までに完了)
  4. 支給申請書・事業実施結果報告書の提出(事業完了後に提出)
  5. 支給決定・入金(支給申請後、原則1か月以内)

申請方法は、紙申請(都道府県労働局への持参または郵送)電子申請(Jグランツ)の2種類から選択できます。

注意事項

  • 交付申請は事業実施前に行う必要があります。交付決定の前に設備を購入した場合は助成対象外になります。
  • 国予算の上限に達した場合は、期限前に受付が終了することがあります。早めの申請をお勧めします。
  • 申請期限:令和8年11月30日(月)午後5時(砂糖製造業は令和9年3月14日まで)

まとめ:建設業・運送業・病院等の経営者の方へ

働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)は、2024年の残業上限規制の本格適用を受けた特定業種の中小企業が、生産性向上と労働時間削減を同時に進めるための強力な支援策です。

成果目標は複数組み合わせることができるため、たとえば「時間外労働の上限設定」と「年次有給休暇の計画的付与」を同時に達成することで、より多くの助成を受けることも可能です。

重要なのは、設備購入や取り組みの実施は交付決定後でなければならないという点です。「すでに導入済みの設備」や「申請前に着手した取り組み」は助成対象外となるため、まず申請手続きを行うことが大切です。

兵庫県西宮市の社会保険労務士事務所「SR武田労務管理事務所」では、この助成金の要件確認・申請書類の作成・成果目標の設定サポートを行っています。「自社が対象になるか確認したい」「申請の流れを教えてほしい」という方は、お気軽にご相談ください。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Back to top