政府が2026年6月12日に「令和8年版高齢社会白書」を公表しました。この白書によると、令和7年における65歳以上の就業者数は22年連続で前年を上回り、942万人に達しました。もはや「高齢者は退職するもの」という常識が通用しない時代になっています。
この数字は中小企業の人事担当者や経営者にとって、非常に重要なシグナルです。今回は白書の主要データをわかりやすく解説し、事業主が今すぐ活用できる情報をお伝えします。
65歳以上の就業率は54.5%(65〜69歳)
白書によると、65歳以上の就業率は次のとおりです。
- 65〜69歳:54.5%(約2人に1人が働いている)
- 70〜74歳:36.2%
- 75歳以上:12.6%
65〜69歳では、なんと約2人に1人が就業中です。この世代を戦力として迎え入れることは、深刻化する人手不足を補う有力な手段になっています。
どの業種に高齢者が多い?産業別65歳以上就業者数
65歳以上の就業者を産業別に見ると、次のとおりです(令和7年)。
| 産業 | 就業者数 |
|---|---|
| 卸売業・小売業 | 131万人 |
| 医療・福祉 | 122万人 |
| サービス業(他に分類されないもの) | 108万人 |
10年前と比較すると、「医療・福祉」が最も増加数が多く、64万人増(約2.1倍)となっています。介護や医療の現場でシニア人材の需要が急増していることがわかります。
日本のシニアは「収入のため」に働き続ける
内閣府の「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査(令和7年度)」では、日本・アメリカ・ドイツ・スウェーデンの高齢者を比較した結果、興味深い違いが明らかになりました。
- 日本:約4割が「収入を伴う仕事をしたい(続けたい)」と回答
- 日本以外の3カ国:7割以上が「収入を伴う仕事をしたくない(辞めたい)」と回答
さらに、働き続けたい理由として、日本では「収入がほしいから」が48.2%と最も多い回答でした。
このデータが示すのは、日本のシニアが「元気だから働ける」だけでなく、経済的な必要性から就労継続を望んでいるという現実です。一方で、企業にとっては、長年の経験とスキルを持つシニアを迎え入れることで即戦力人材を確保できるチャンスでもあります。
事業主が活用できる!65歳超雇用推進助成金の3つのコース
国は高齢者の雇用促進のため、事業主向けの助成金制度を設けています。シニア人材を活用する体制を整えることで、最大で合計数百万円の助成を受けることができます。
① 65歳超継続雇用促進コース(最大160万円)
65歳以降も継続して雇用できるよう定年延長・定年廃止・継続雇用延長の制度を就業規則に定めた場合に支給されます。延長する年数が長いほど支給額も大きくなります。
② 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース(最大110万円)
高齢者が働きやすいよう評価制度・賃金制度・勤務形態を整備した場合に最大110万円が支給されます。定年前後で仕事の内容や成果がわかりにくい場合にも活用できます。
③ 高年齢者無期雇用転換コース(1人最大40万円)
50歳以上の有期契約社員(パートや嘱託社員)を無期雇用に転換すると、1人あたり最大40万円が支給されます。定年後の再雇用者を安定的な雇用形態に移行させる際にも活用できます。
これらの助成金は申請要件・申請期限・必要書類が複雑です。詳しくは当事務所(西宮市の社労士事務所・SR武田)にお気軽にご相談ください。
まとめ:「人材不足」はシニア活用で乗り越えられる
令和8年版高齢社会白書が示すとおり、65歳以上の就業者は22年連続増加して942万人に達し、日本のシニアは積極的に働くことを望んでいます。中小企業の経営者・人事担当者の皆さんに、今すぐ確認していただきたい3つのポイントをまとめます。
- 就業規則の定年規定を確認:現在の定年は何歳?継続雇用制度はある?就業規則を見直すだけで助成金の対象になる可能性があります
- 65歳超雇用推進助成金の申請資格を確認:条件を満たせば最大160万円が受給できます。ハローワークへの届出が必要です
- シニア向けの働き方を設計:フルタイムだけでなく短時間勤務・週3日勤務など柔軟な制度が定着率向上につながります
西宮市・芦屋市・神戸市・宝塚市周辺の事業主の皆さん、高齢者雇用や就業規則の見直しに関するご相談はSR武田(社会保険労務士事務所)へどうぞ。初回相談は無料です。

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