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【令和8年度版】障害者介助等助成金「健康相談医の委嘱助成金」とは?内部障害・視覚障害のある従業員を継続雇用する会社が医師委嘱費用の3/4(年最大30万円)を最長10年受給できる制度を西宮の社労士が解説


「心臓に障害のある従業員がいて、定期的に医師の診察を受けさせているが、会社としてのコストが重い」「腎臓病を抱えながら懸命に働いてくれているスタッフがいる。もっと健康面でサポートしてあげたいが、費用の捻出が課題だ」——そんなお悩みを抱える経営者の方はいませんか?

JEED(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)の障害者介助等助成金「健康相談医の委嘱助成金」は、内部障害や視覚障害のある従業員を継続雇用する事業主が、その健康管理のために医師(健康相談医)を委嘱した場合に、委嘱費用の3/4(1回あたり上限25,000円・年間最大30万円)を最長10年間助成する制度です。

障害者雇用を推進している企業にとって、従業員の健康維持は最優先課題のひとつです。特に内部障害者(心臓・腎臓・呼吸器などの機能障害)は、外見から障害の状態がわかりにくいため、職場内での適切な健康管理体制が欠かせません。本記事では、この助成金の詳細と活用ポイントを西宮の社労士がわかりやすく解説します。

健康相談医の委嘱助成金とは?

この助成金は、JEED(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)が障害者雇用納付金制度に基づいて運営する「障害者介助等助成金」の14種類の措置のうちのひとつです。

障害者介助等助成金は、障害者を雇用する事業主が「障害の種類や程度に応じた適切な雇用管理のために必要な介助等の措置」を実施する費用の一部を助成する制度です。その中で「健康相談医の委嘱助成金」は、内部障害のある従業員や視覚障害者の健康状態を定期的に把握・指導するために、専門の医師(健康相談医)を事業所に派遣または委嘱するコストを支援します。

内部障害者は体調が日によって変動しやすく、無理をして体調を悪化させるケースも少なくありません。産業医とは別に「内部障害に詳しい健康相談医」を確保することで、従業員が安心して働き続けられる環境を整えることができます。

助成対象となる障害者(支給対象労働者)

この助成金の対象となるのは、事業主が継続して雇用している以下の障害者です。

① 内部障害者(身体障害者手帳4級以上)

以下の内部機能障害のうち、身体障害者手帳4級以上に認定されている者が対象です。

障害の種類 主な症状例
心臓機能障害 不整脈、心不全、心筋梗塞後遺症など
腎臓機能障害 慢性腎不全(透析通院中)など
呼吸器機能障害 慢性閉塞性肺疾患(COPD)など
膀胱・直腸機能障害 ストーマ(人工肛門・膀胱)保有者など
小腸機能障害 在宅静脈栄養が必要な状態など
免疫機能障害(HIV等) HIV感染による免疫機能低下など
肝臓機能障害 慢性肝不全、肝硬変など

② 視覚障害者

身体障害者手帳の交付を受けた視覚障害者も対象です。

助成対象となる事業主の要件

以下の要件をすべて満たす事業主が助成を受けられます。

  • 上記の内部障害者または視覚障害者を労働者として継続して雇用していること
  • 対象障害者の健康管理のために医師(健康相談医)を委嘱していること
  • 障害者雇用に関して法令違反がないこと
  • JEED都道府県支部から受給資格の認定を受けていること

なお、健康相談医として委嘱する医師は、内部障害や視覚障害の健康管理に精通した専門医または産業医資格を持つ医師が適しています。

助成額・支給条件

項目 内容
助成率 委嘱費用の3/4(四分の三)
1回あたり上限 25,000円
年間上限 300,000円(30万円)
助成期間 最長10年間

たとえば、1回の委嘱費用が30,000円の場合、30,000円×3/4=22,500円が助成されます(上限25,000円以内のため全額対象)。年間12回委嘱すれば、最大270,000円の助成を受けることができます。

申請の流れ

申請はJEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)の各都道府県支部に対して行います。兵庫県内の事業主は兵庫支部が窓口となります。

STEP 1:受給資格認定申請

健康相談医の委嘱を開始する前(または開始後の定められた期間内)に、JEEDの都道府県支部へ「受給資格認定申請書」(様式第602号)と必要書類を提出し、受給資格の認定を受けます。

主な必要書類:

  • 障害者助成金受給資格認定申請書(様式第602号)
  • 支給要件確認申立書(様式第540号)
  • 支給対象障害者に係る書類(身体障害者手帳の写しなど)(助添付様式第71号)
  • 事業・支援計画書(助添付様式第72号)

STEP 2:健康相談医の委嘱実施

認定を受けた後、計画書に基づいて健康相談医による健康相談・指導を実施します。委嘱の記録(実施日時・内容・費用等)を適切に保管してください。

STEP 3:支給請求

委嘱実施後、「障害者助成金支給請求書」(様式第622号)と費用の支払実績報告書(助添付様式第76号)をJEED都道府県支部に提出します。

申請方法は、①持参・郵送(書類3部)、②e-Gov電子申請サービスから選択できます。社会保険労務士による代行申請も可能です。

他の障害者介助等助成金との違い

助成金の種類 主な対象障害者 助成内容
職場介助者の配置助成金 視覚・四肢機能障害者 介助者の人件費の一部
手話通訳担当者の配置助成金 聴覚・言語障害者 通訳担当者の人件費の一部
健康相談医の委嘱助成金 内部障害者(4級以上)・視覚障害者 医師の委嘱費用の3/4(年最大30万円)
介助者等資質向上措置 介助者を配置している事業主 介助者の研修費用の一部
職業能力開発向上支援専門員 全障害者雇用事業主 専門員の配置・委嘱費用

「健康相談医の委嘱助成金」は特に内部障害者を雇用する事業主に特化した珍しい支援制度です。透析通院中の腎臓病患者や心疾患を持つ従業員など、体調管理が特に重要な障害者を雇用している会社にとって、非常に実用的な助成金といえます。

この助成金の活用が特に向いている企業・職場

  • 透析通院中の腎臓機能障害者や心臓機能障害者を雇用している企業
  • ストーマ(人工肛門・膀胱)保有者が働く職場
  • HIV感染による免疫機能障害者を雇用する企業(医療・福祉・IT分野など)
  • 慢性呼吸器疾患を持つ従業員が在籍する製造業・建設業
  • 視覚障害のある専門職(SEや事務職など)を雇用している職場
  • 障害者雇用率の達成のために積極的に内部障害者を採用している中小企業

よくある質問

Q1. 既に産業医がいる場合でも申請できますか?

産業医と健康相談医は別の役割として申請が可能です。産業医は職場全体の安全衛生管理が主な役割ですが、健康相談医は内部障害者・視覚障害者の健康状態に特化した相談・指導を行う医師として位置づけられます。ただし、同一の医師が兼任する場合は要件の確認が必要ですので、事前にJEED都道府県支部へご相談ください。

Q2. 委嘱する医師の資格要件はありますか?

原則として医師免許を持つ医師であることが前提です。内部障害者の健康管理に精通した内科系専門医や、産業医資格を持つ医師が適しています。委嘱医師の要件の詳細はJEED都道府県支部にご確認ください。

Q3. 1事業所で複数の内部障害者を雇用している場合、何人分申請できますか?

支給対象となる障害者が複数在籍する場合でも、年間上限は30万円となります。対象者の人数や委嘱の内容に応じた詳細はJEED都道府県支部にお問い合わせください。

Q4. 申請のタイミングはいつですか?

健康相談医の委嘱を開始する前に、まずJEED都道府県支部に受給資格認定申請を行うことが基本です。認定を受けてから委嘱を開始し、実施後に支給請求を行います。委嘱開始後の申請については期限がある場合があるため、早めにJEEDに相談することを推奨します。

Q5. 障害者雇用納付金を納めている会社でないと申請できませんか?

障害者雇用納付金制度に基づく助成金ですが、申請のための主要な要件は「対象障害者を継続して雇用していること」です。詳細な要件はJEED都道府県支部にご確認ください。

まとめ

障害者介助等助成金「健康相談医の委嘱助成金」は、内部障害者(心臓・腎臓・呼吸器・膀胱直腸・小腸・免疫・肝臓の各機能障害、4級以上)や視覚障害者を雇用する事業主が、健康管理のために医師を委嘱した際の費用の3/4(年間上限30万円)を最長10年間助成する制度です。

内部障害者は「見えない障害」を抱えながら働いており、適切な健康管理体制の構築が職場定着の鍵を握ります。この助成金を活用することで、会社の負担を軽減しながら従業員の健康を守り、長期的な活躍を支援することができます。

申請・受給にあたっては、事前に受給資格の認定が必要です。まずはJEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)の都道府県支部(兵庫県は兵庫支部)にご相談ください。

本制度について詳しく知りたい方、または申請の進め方でご不明な点がある方は、当事務所(西宮市の社会保険労務士事務所)までお気軽にご相談ください。障害者雇用の推進から各種助成金の申請サポートまで、地域の事業主を全力でバックアップいたします。

参考:JEED「健康相談医の委嘱助成金の様式」|JEED「障害者介助等助成金」


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