産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)は、令和6年能登半島地震の影響により事業活動を縮小せざるを得なかった石川県の事業主が、在籍型出向によって従業員の雇用を維持する場合に、出向元・出向先の双方の事業主に対して出向中の費用を補助する助成金です。
令和8年12月31日まで申請を受け付けており、全国の事業主が出向先として活用できます。西宮市・兵庫県の企業も対象です。
産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)とは?
令和6年1月に発生した能登半島地震では、石川県内の企業が甚大な被害を受け、七尾市・輪島市・珠洲市などの地域で多くの企業が事業活動の縮小を余儀なくされました。このような被災企業が従業員を解雇せずに雇用を守るために、在籍型出向を活用することができます。
在籍型出向とは、従業員が出向元の在籍を維持したまま他の企業(出向先)で働く仕組みです。従業員は解雇されることなく仕事を継続でき、事業主は雇用保険の給付に頼ることなく雇用を守れます。
この助成金の特徴は、出向元(被災地の企業)だけでなく出向先となる全国の企業にも助成金が支給される点です。人材を受け入れる企業にとっても、出向コストを補助してもらいながら人手不足を解消できるメリットがあります。
対象となる事業主
出向元事業主(被災地側)の要件は以下のとおりです。
- 石川県の特定地域(七尾市・中能登町・羽咋市・志賀町・宝達志水町・輪島市・穴水町・珠洲市・能登町)に所在する雇用保険適用事業所
- 令和6年能登半島地震の影響で事業活動が一時的に縮小している
出向先事業主(受け入れ側)の要件は以下のとおりです。
- 全国の雇用保険適用事業所(被災地外でも対象)
- 出向元事業主と出向契約を締結していること
- 出向元と資本的・経済的・組織的な独立性が認められること
対象となる労働者
以下の要件をすべて満たす労働者が対象です。
- 出向元事業所で雇用される雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者
- 出向開始日の前日までの継続雇用期間が6か月以上であること
- 解雇予告・退職勧奨・退職願の対象者でないこと
- 日雇労働被保険者でないこと
助成額・助成率
助成金は出向元・出向先の双方に支給されます。出向中の賃金・教育訓練費などの実費に対して以下の助成率が適用されます。
| 企業規模 | 助成率 | 1日あたりの上限額 |
|---|---|---|
| 中小企業 | 4/5 | 8,870円 |
| 中小企業以外 | 2/3 | 8,870円 |
上限額は出向元・出向先の助成金の合計として設定されています。出向期間中は毎月の賃金に助成率を掛けた金額が支給されるため、長期の出向ほど受給総額が大きくなります。
受給のための主な要件
助成金を受給するには、出向が次の要件を満たす必要があります。
- 出向開始日:令和6年12月17日〜令和8年12月31日の間に開始していること
- 出向期間:1か月以上2年以内であること
- 出向終了後は出向元の事業所に復帰することが前提であること
- 出向元・出向先がともに雇用保険の適用事業所であること
- 出向元と出向先に独立性が認められること(親子会社・グループ会社間は原則不可)
申請手続きの流れ
主な手続きの流れは以下のとおりです。
- 計画届の提出:出向元または出向先がハローワーク・都道府県労働局に採用活動計画(出向計画)を提出し、認定を受ける
- 出向の実施:計画が認定されたら在籍型出向を開始する
- 支給申請書の提出:出向期間終了後(または所定の申請期限内)に、必要書類を揃えて支給申請を行う
主な必要書類には、出向契約書・就業規則・賃金台帳などが含まれます。申請窓口は各都道府県労働局またはハローワークです。
まとめ
- 令和8年12月31日まで受付中
- 中小企業は出向コストの最大4/5(上限8,870円/日)が補助される
- 出向元(石川県被災地域)と出向先(全国)の双方に支給
- 出向期間は1か月以上2年以内
- 西宮市・兵庫県の企業も出向先として活用可能
- 在籍型出向なので従業員の雇用は守られる
在籍型出向の受け入れを検討しているが手続きが分からない、助成金を活用して人材確保したいという事業主の方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
西宮市の社会保険労務士・竹田社労士事務所では、助成金の申請サポートから労務管理のご相談まで幅広く承っております。初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

コメントを残す