中小企業団体助成コースとは?業界団体に最大1,000万円が支給される制度
「うちの会社は規模が小さすぎて助成金の対象外になってしまう」「一社だけでは雇用管理の改善が難しい」――こうした悩みを抱える中小企業のために設けられているのが、人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)です。
本コースは、事業協同組合などの事業主団体(業界団体・商工組合など)が、構成する中小企業の雇用管理改善を支援する事業を実施した際に、その費用の一部が国から助成される制度です。個々の企業ではなく、「業界団体」が受給主体になるという点が大きな特徴です。
受給できる団体の条件
本コースを利用できるのは、「事業協同組合等の事業主団体」に限られます。具体的には以下のような団体が対象です。
- 事業協同組合・協同組合連合会
- 商工組合・商工組合連合会
- 商工会・商工会議所・商工会連合会
- 農業協同組合・漁業協同組合・水産加工業協同組合等
- 中小企業団体の組織に関する法律に基づく企業組合・協業組合
受給するためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
- 改善計画の認定:雇用管理の改善に係る改善計画を策定し、都道府県知事の認定を受けること
- 実施計画の提出:労働局に1年間の「中小企業労働環境向上事業」の実施計画を提出すること
- 事業の実施:提出した計画に沿って実際に事業を実施すること
実施する4つの事業(中小企業労働環境向上事業)
本コースで助成対象となる「中小企業労働環境向上事業」は、以下の4つの事業で構成されています。これらの事業を通じて、構成中小企業の雇用管理改善を図ります。
- ①計画策定・調査事業:構成事業者の雇用管理状況の調査・分析や改善計画の策定支援
- ②安定的雇用確保事業:求人・採用活動の支援、雇用維持に向けた取組
- ③職場定着事業:離職防止・職場環境改善のための研修・セミナー開催、就業規則整備支援など
- ④モデル事業普及活動事業:取組の好事例を業界内で共有・普及させる活動
これらを「1年間の計画」として提出し、事業実施後に支給申請を行います。
支給額:経費の2/3・上限は最大1,000万円
支給額は、中小企業労働環境向上事業の実施に要した経費の2/3が助成されます。支給上限額は構成中小企業者の数によって異なります。
| 組合等の規模 | 構成企業数 | 支給上限額 |
|---|---|---|
| 大規模認定組合等 | 500社以上 | 1,000万円 |
| 中規模認定組合等 | 100〜499社 | 800万円 |
| 小規模認定組合等 | 100社未満 | 600万円 |
たとえば、120社が加入する事業協同組合が1,200万円の事業費をかけた場合、支給額は1,200万円×2/3=800万円(上限)となります。
申請手続きと窓口
申請は各都道府県労働局またはハローワークに対して行います。事業実施期間終了後2か月以内に支給申請書を提出する必要があります。
- 電子申請:雇用関係助成金ポータルから申請可能(令和5年6月26日以降)
- 窓口相談:管轄の都道府県労働局またはハローワーク
申請前には、都道府県知事による改善計画の認定と、労働局への実施計画の提出が必要なため、早めに準備を始めることが重要です。
中小企業の経営者へ:あなたの業界団体も活用できるかもしれません
本コースは「団体」が受給主体のため、個々の中小企業が直接申請することはできません。しかし、あなたが所属する事業協同組合や商工組合などの業界団体がこのコースを活用することで、所属会員企業全体の雇用管理改善が支援されます。
業界団体の理事や担当者に対して本コースの存在を伝え、活用を促してみてはいかがでしょうか。特に、業界全体で人材不足・離職率の高さが課題となっている業種では、団体としてまとめて取り組むことで大きな効果が期待できます。
まとめ
人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)は、個々の企業単位では難しい雇用管理改善を、業界団体が一体となって取り組む際に強力なサポートを提供する制度です。経費の2/3・最大1,000万円の助成により、調査・研修・就業規則整備など幅広い活動が対象となります。
本コースの申請支援や、所属業界団体への情報提供・就業規則整備についてのご相談は、たけだリフテック社労士事務所にお気軽にお問い合わせください。

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