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同性・事実婚パートナーにも家族手当を!日本板硝子の先進事例から学ぶ、中小企業の人事制度多様化対応を西宮の社労士が解説


「うちにも同性パートナーがいる従業員がいるけど、家族手当はどうすればいい?」「事実婚の方を配偶者として扱っていいの?」——最近、こういったご相談を社労士事務所に寄せていただくことが増えています。

2026年8月、大手ガラスメーカーの日本板硝子株式会社が、家族手当などの福利厚生の適用範囲を事実婚・同性パートナーにまで拡大したことが報道されました。

この記事では、日本板硝子の取り組みを具体的に紹介しながら、中小企業が人事制度の多様化に対応する際に知っておくべきポイントを、西宮市の社会保険労務士がわかりやすく解説します。

日本板硝子の取り組み:何が変わったのか

日本板硝子株式会社(東京都港区)は、配偶者に対する人事制度や福利厚生の適用範囲を、事実婚・同性パートナーにまで拡大しました。

具体的な支給内容

  • 配偶者への家族手当:月1万6,500円
  • 子ども1人当たりへの家族手当:月1万1,000円

対象となる「配偶者」の定義の変化

従来は「法律上の配偶者(戸籍上の配偶者)」のみが対象でしたが、改定後は以下のいずれかに該当する方も対象となります:

  • 事実婚パートナー(婚姻届を出していないが、生活を共にしているカップル)
  • 同性パートナー(同性どうしのカップル)

注目すべき点は、「社会保険・税法上の扶養に入っていなくても、一定の基準を満たせば対象とする」という考え方です。つまり、パートナーが独自に収入を得ていたとしても、一定条件を満たせば家族手当の支給対象になり得るということです。

なぜ今、この動きが重要なのか

① 多様な家族形態への社会的認識の変化

日本では婚姻件数が減少傾向にあり、事実婚を選ぶカップルも増えています。また、同性パートナーシップ制度を導入する自治体が急増しており、2026年時点で全国の8割以上の自治体が何らかの形で同性パートナーシップを認めています。

社会の変化に合わせて、企業も人事制度を見直す必要が出てきています。

② 優秀な人材の確保・定着

「会社の福利厚生が自分のライフスタイルに合っているか」は、特に若い世代の就職・転職先選びにおいて重要な判断基準になっています。事実婚・同性パートナーにも対応した制度を整えることで、多様な人材を惹きつけ、定着率の向上につながります。

③ D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進

大手企業を中心にD&I(多様性と包括性)の推進が経営課題となっています。取引先や顧客から「御社のD&Iの取り組みを教えてください」と聞かれる機会も増えており、中小企業にとっても無関係ではなくなってきています。

中小企業が取り組む際の3つのポイント

ポイント①:まず現行の就業規則・賃金規程を確認する

多くの会社の就業規則や賃金規程では、「家族手当の対象:配偶者・子ども」とだけ書かれており、「配偶者」の定義が明記されていないことがあります。

まずは現在の規程を確認し、「配偶者」がどのように定義されているか(または定義されていないか)を把握することが第一歩です。

ポイント②:対象範囲と認定基準を明確にする

事実婚・同性パートナーを家族手当の対象とする場合、以下のような認定基準を設ける必要があります:

  • 同居していること
  • 生計を共にしていること
  • 自治体のパートナーシップ証明書の提出(同性パートナーの場合)
  • 住民票の続柄確認
  • 会社への届け出・申告手続き

曖昧な基準では「認めてほしい」「なぜ認められないのか」といったトラブルにつながりかねません。客観的な証明書類を求めるなど、公平で明確な基準の設定が重要です。

ポイント③:社会保険・税務上の扶養とは切り離して考える

「家族手当の対象=社会保険の扶養に入っている人」と定めている会社も多いですが、日本板硝子の事例のように、社会保険・税法上の扶養に関係なく家族手当を支給する仕組みも取り得ます。

ただし、社会保険の扶養(被扶養者)に入れるかどうかは、現行の社会保険制度の範囲内でしか判断できません。事実婚パートナーは条件次第で被扶養者として認定される場合もありますが、同性パートナーについては現時点では被扶養者として認定されないケースが一般的です(一部の健康保険組合を除く)。

会社独自の福利厚生(家族手当など)と、社会保険制度の仕組みは別物であることを理解した上で制度設計することが大切です。

就業規則改定のリスクと注意点

家族手当の支給対象を拡大する場合、就業規則や賃金規程の改定が必要になります。その際の注意点を確認しておきましょう。

不利益変更にはならないか

支給対象を拡大する改定であれば、既存の従業員への不利益変更にはなりません。ただし、「認定基準を厳しくする」「手当額を変更する」場合は、不利益変更となる可能性があるため、従業員代表の意見を聴取した上で適切に手続きを行う必要があります。

労働基準監督署への届け出

就業規則や賃金規程を改定した場合、常時10人以上の従業員を雇用している事業所は、所轄の労働基準監督署への届け出が必要です。就業規則本体に加え、改定内容がわかる変更箇所を明示した書類も添付します。

個人情報の取り扱いに配慮する

同性パートナーであること、事実婚であることは、センシティブな個人情報です。申告書類の管理・保管には十分な配慮が必要であり、申告した従業員のプライバシー保護の体制も合わせて整える必要があります。

まとめ:多様化する「家族」に会社の制度も対応を

日本板硝子の事例は、大企業の先進的な取り組みとして注目されますが、「うちは中小企業だから関係ない」とは言い切れない時代になっています。

多様な家族のあり方が社会に広まるにつれ、従業員から「なぜうちの会社は認めてくれないのか」という声が上がるケースも増えてきています。

すぐに制度を変える必要はありませんが、少なくとも現状の就業規則・賃金規程の内容を確認し、将来的にどう対応するかを社長・人事担当者が考えておくことをお勧めします。

西宮の社労士事務所にご相談ください

就業規則の見直し・賃金規程の改定についてお悩みの事業主様は、西宮市の社会保険労務士事務所 武田社労士事務所にお気軽にご相談ください。

「うちの会社の就業規則はこれで大丈夫?」「多様化に対応した制度にしたいけど何から始めればいい?」といったご質問にも丁寧にお答えします。

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情報提供元:全国社会保険労務士会連合会 NEWS HEADLINE(2026年8月25日)/株式会社労働新聞社


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