「トラックドライバーの荷待ち時間が長くて、残業が減らない…」「物流の2024年問題で、取引先との環境整備を進めたいが何から手をつければいいか…」——そんな荷主・運送事業者の方に、ぜひ知っていただきたい助成金が令和8年度に新設されました。
それが働き方改革推進支援助成金(取引環境改善コース)です。荷主企業・倉庫事業者・運送事業者が連携して荷待ち時間・荷役時間の削減に取り組んだ場合、最大100万円の助成を受けることができます。
1. 働き方改革推進支援助成金(取引環境改善コース)とは?
本コースは、令和8年度に新設された助成金で、物流業界の「2024年問題」——すなわちトラックドライバーの時間外労働上限規制(年960時間)への対応を、業界全体で推進するために創設されました。
荷主・倉庫事業者・運送事業者が「荷主集団等」を組織し、荷待ち時間・荷役時間の短縮に向けた取引環境整備の取組を実施することで、その費用の一部を助成する制度です。
申請窓口は都道府県労働局(雇用環境・均等部)または働き方改革推進支援センターです。
2. 対象となる「荷主集団等」の要件
この助成金を申請するためには、以下の7つの要件をすべて満たす「荷主集団等」を組織する必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 構成事業主数 | 3以上の事業主で組織されていること |
| ② 構成メンバー | 荷主または倉庫事業者と運送事業者の両方を含むこと |
| ③ 代表事業主 | 代表事業主が法人格を有すること |
| ④ グループの独立性 | 構成員が互いに異なる企業グループに属すること |
| ⑤ 活動実績 | 現に活動中または活動見込みがあること |
| ⑥ 労働保険 | 構成員全員が労働保険の適用事業主であること |
| ⑦ 中小企業比率 | 構成員のうち運送事業者の過半数が中小企業事業主であること |
つまり、荷主企業単独ではなく、荷主・倉庫・運送の3者以上が連携したグループとして申請する必要があります。業界団体や商工会議所が中心となって組織づくりを進めるケースも想定されています。
3. 助成額・助成対象経費
助成額は、対象経費の合計額と100万円のいずれか低い方です(助成率は実費相当)。
主な助成対象経費
- 謝金(外部専門家への謝礼)
- 旅費・会議費
- 機械装置等購入費(荷役効率化設備など)
- 委託費・通信運搬費
- 印刷製本費・雑役務費
※ セミナー開催や巡回指導に関する費用は、構成員1者あたり10万円が上限です。
※ 人件費は助成対象外です。
4. 支給要件(成果目標)
助成金を受け取るためには、以下の成果目標を達成する必要があります。
- 荷主集団等の構成員である運送事業者の2分の1以上において、荷待ち時間・荷役時間・労働時間の短縮効果をあげること
単に取組を実施するだけでなく、実際に改善効果が数字として現れることが条件となります。取組開始前と終了後のデータ比較で成果を証明する必要があります。
5. 実施できる改善事業の例
| 取組内容 | 具体例 |
|---|---|
| 取引適正化への理解促進 | セミナー開催、周知・啓発活動 |
| 巡回指導・相談窓口設置 | 専門家による巡回指導、相談窓口の設置・運営 |
| 設備・機器の導入・更新 | フォークリフト・パレット・荷役効率化機器などの導入 |
6. 申請の流れ
- 交付申請(令和8年11月30日まで):都道府県労働局に事業実施計画書を提出
- 交付決定後に改善事業を実施:令和9年2月14日までに完了
- 支給申請:事業終了後30日以内、または令和9年2月26日のいずれか早い日まで
申請を行うのは荷主集団等の代表事業主です。まず「働き方改革推進支援センター」や都道府県労働局に相談し、事業実施計画を作成するところからスタートします。
7. この助成金を活用するためのポイント
- 荷主・倉庫・運送の3者以上の連携が必須です。単独企業では申請できません
- 成果目標(運送事業者の1/2以上で改善効果)の達成が条件のため、事前に改善余地を確認することが重要です
- 申請期限は令和8年11月30日ですが、予算に上限があるため早期申請が有利です
- 「物流総合効率化法」に基づく認定を受けた取組と組み合わせることで、より多くの支援を受けられる場合があります
まとめ
働き方改革推進支援助成金(取引環境改善コース)は、荷主・倉庫・運送事業者が連携して荷待ち・荷役時間を削減する取組に対し、最大100万円を助成する令和8年度の新設制度です。物流業界の「2024年問題」への対応を業界全体で進めるための助成金で、申請期限は令和8年11月30日(月)です。
「取引先と連携して荷待ち時間を減らしたい」「ドライバーの長時間労働をどうにかしたい」という運送事業者・荷主企業の方は、ぜひ活用をご検討ください。
この助成金の申請手続きや荷主集団の組織づくり、就業規則・労働時間管理の整備でお悩みの方は、西宮市の社会保険労務士事務所・SR労務サポートオフィス竹田にお気軽にご相談ください。助成金活用のサポートから労務管理の整備まで、経営者の皆さまをトータルでサポートします。

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